うつ病の傾向と症状

新型うつ病

ケーススタディ1
自らうつ病の診断書をもらい休職したFさん・27歳

■注意されただけでいじめだと思い込む

過保護に育てられたFさんは、アナウンサーになりたかったものの夢が叶わず、事務職に就きました。いつも「やりたい仕事じゃないのに」と、不満を持っていました。そのため、上司から少し注意されただけで自分はいじめられていると思い込み、やる気をなくしました。

■強引に診断書をもらう

そのうち、体はだるく、動悸やめまいもしてきて「この会社は私の辛さを分かってくれない」とわめいては仕事を休むようになりました。
ある日、自らメンタルクリニックを訪れ「うつ病で3カ月の休養が必要だという診断書を書いてください」と医師に言い、半ば強引に診断書をもらいました。診断書を会社に提出すると休職してしまったのです。

ケーススタディ2
会社に行こうすると症状が現れるTさん・35歳

■異動を命じられて寝込む

経理部で働くTさんは、ある日、営業部への異動を命じられました。元々口下手で、営業は絶対嫌だと思っていたTさんは、あまりのショックに寝込んでしまいました。
大学を卒業後、思い通りの道を歩んできた自分が「どうして営業なんかやらなきゃいけないんだ」とひどく悩みました。

■休むと連絡した途端、症状が消える

会社に行こうとしましたが、頭痛や吐き気がひどく、動けません。仕方なく妻が「今日は休みます」と会社に電話したところ、不調は一気に治ってしまうのです。そんな毎日が2週間続いたため、とうとう1カ月休職することになりました。
すると、休職中はなんの症状も現れません。ところが、復職する日が近づいてくると、不安で眠れなくなり、再び頭痛や吐き気に襲われるようになったのです。

ケーススタディ3
病気で休職中なのに海外旅行に行ったYさん・34歳

■自分が覚えられないのは人のせい

Yさんは感情の起伏が激しく、気に入らないと周囲に当たり散らす面がありました。あるとき、共同作業を行う部署に異動になりました。上司や同僚は丁寧に仕事を教えましたが、Yさんは覚えられません。不安感や憂鬱感が強くなり「自分が覚えられないのは周りの教え方が悪いからだ」と抗議し、休職してしまいました。
ところが、休職中にも関わらず、気の合う仲間から連絡が来ると、Yさんは食事やカラオケに行き、趣味のテニスに没頭しました。そしてなんと、海外旅行にまで出かけていたのです。

「新型うつ」はうつ病なのか?

●原因

実は「新型うつ病」という専門用語はなく、精神医学的な定義もありません。したがって、原因に関してもまだ規定されていません。常に憂うつな状態にあるうつ病とは異なり、本人にとって都合の悪いことに対面したときだけ発症し、楽しいことがあると元気になる「非定型うつ病」に非常に似ていると言われています。
一方、昨今メディアで取り上げられる「新型うつ」は、性格や遺伝、家庭環境、教育、社会環境、脳の神経伝達物質、ストレスなどが関与して発症すると考えられています。

●症状

「新型うつ病」と言われるものには次のような特徴が見られます。

  • 性格的に未熟である
  • 訴える症状が軽症のうつ病に似ており、判断が難しい
  • 仕事では抑うつ的になるのに、余暇は楽しく過ごせる
  • 仕事や学業上の困難がきっかけで発症する
  • 自己中心的で他人に配慮する気持ちが薄い
  • 過食になる
  • 過眠になる
  • 体が鉛のように重く感じる

●対策

まず、自分自身を知ることが大切です。新型うつ病の場合、他人の目を過剰に意識したり、他罰的になったりする傾向があります。相手の気持ちを害さず、自分の気持ちをきちんと相手に伝えられるようになりましょう。また、一人で問題を解決しようとせず、自分を理解してくれる人に話を聞いてもらい、助言してもらうことも大切です。