うつ病の傾向と症状

就活生・新卒者のうつ病

ケーススタディ1
夢と現実のギャップで5月病になったMさん・23歳

■友達もできず、孤独な毎日が続いて

Mさんは地方の女子大を卒業し、東京のIT企業に就職しました。憧れの東京で初めての一人暮らしです。新しい生活にいろいろな夢を抱いていました。
ところが、現実はMさんの理想とは全く違いました。パソコン相手の単純作業が業務の中心で、同僚との会話はほとんどありません。友人もできず、休日は一人孤独に過ごしていました。憧れだったはずの東京生活は、味気ないものとなってしまったのです。

■月曜日の朝、必ず起こる頭痛と吐き気

そんな毎日が続いたある日、いつものように一人で夕食を食べていると、Mさんは急に虚無感に襲われ、涙が出てきました。家族との楽しい夕食を思い出すと、一人寂しい生活を送る自分が情けなくなったのです。明日は月曜日。また単調な仕事が始まると思うと、嫌で仕方がありません。
それ以降、月曜日の朝になると必ず、体はだるくなり、頭痛と吐き気に襲われるようになったのです。

ケーススタディ2
就職活動がうまくいかずうつ病になったK君・22歳

■面接に通らない優秀な自分

国立大学に通うK君は、就職を見据えて授業を選び、意識の高い学生が集うサークルに入り、インターンシップにも参加していました。大企業に入った先輩やレベルの高い学生と話をすることで、自分も同じような存在になった気持ちになりました。
ところが、「レベルの高い自分に見合ったレベルの高い企業」を選んでいるのに、面接はことごとく通りません。友達はどんどん就職が決まっていきます。「こんなに優秀な自分が、なぜ落ち続けるのだろう」と自尊心は傷つけられました。

■不安と劣等感で追い込まれて

9月になっても、どこからも採用通知はもらえません。一次面接すら通らない現実が受け入れられませんでした。
不安と劣等感でいっぱいになり「大手企業に入社できなければ、負け組になってしまう」という焦りが頭の中を巡っています。眠れない日が続き、食欲もありません。誰にも弱音が吐けず、K君はどんどん精神的に追い込まれていきました。

理想と現実のギャップに直面する「就職」というイベント

●原因

18~25歳は、大学生活が始まったり、社会人として初めて仕事に就いたりする時期ですが、新しい生活が始まることで心の変調をきたしやすい時期でもあります。就職活動がうまくいかない、希望の会社に就職したものの、やりたい仕事ができない、といったことで自己否定感や挫折感を味わい、意欲が低下し無気力になります。その結果、うつ病を発症する人が多く見られます。

●症状

新しい環境の変化についていけない焦りやストレスが、体の症状となって現れてくることがあります。次のような不調を感じたら気を付けましょう。

  • 眠れない
  • 寝つきが悪くなる
  • 朝起きるのが辛い
  • 食欲が落ちたりなくなったりする
  • やる気が出ない
  • 一日中気分が落ち込み、体がだるい
  • 常に焦燥感がある
  • 頭痛や腹痛がひどい
  • 動悸やめまいがする
  • 頭が混乱する
  • 何をしても楽しくない

●対策

就職活動がうまくいかなかったり、仕事になじめなかったりすると、自力で何とかしようと思う人が多いのですが、人を頼る気持ちを持つことも大切です。心の中に溜まったものを吐き出せる人が一人いるだけでも気分は違うものです。
不調を感じたら、自分なりに気分転換やリラックスできることをやってみましょう。また、生活習慣を見直すことも大切です。乱れた生活リズムや食生活を整え、軽い運動を取り入れれば体調が改善し、ストレス解消にもつながります。