親のためのうつサポート講座

子供のストレスサインチェックリスト

子供の”ストレスサイン”をチェック

心も身体も成熟している大人なら、自分が考えていることや感じていることをしっかりと言葉に出して伝えることができるでしょう。
しかしそれでも、うつ病になってしまうとなかなか上手く表現できなくなり、思っていることを伝えにくくなります。
まして、身体も心もまだ未熟な子供ならなおさらです。
コミュニケーション能力が未発達な子供がうつ病になったとき、自分が抱える悩みや苦しみを周囲にきちんと訴えられるでしょうか?
「うちの子はしっかりしているからきっと大丈夫」とは、どうか考えないでください。どんなに心が強く、しっかりとしている子供でも、うつ病になってしまうと普段どおりではなくなってしまうものなのです。
子供と向き合うときには、言葉だけを頼りにするのではなく、無意識に発する「サイン」にも注意することが大切です。
大人の役割は、子供が発するサインをしっかりキャッチして、いち早く子供の悩みや苦しみに気付くことが大切です。
ここでは、うつ病の子供が発しているストレスサインについてお話します。

行動が全般的に遅くなる、反応が鈍くなる

うつ病とは、身体や心のエネルギーが不足している状態です。症状は内面だけではなく身体にも現れ、動作がひどくゆっくりしたり、物事に対しての反応が積極的ではなくなるなどの特徴がみられるようになります。
今まで何事にも活発で機敏に活動していた子供が、急に物事に対して反応を示さなくなった、または全般的に動作が鈍くなってしまったというときには、うつ病が疑えます。
もちろん、興味の移り変わりは誰にでもあります。好奇心が旺盛な子供なら、次々と新しいものに関心が移っても不思議ではありません。また、たまたま疲れている場合もあります。分別ができる頃合いに落ち着いた行動を取るようになることも多くあります。一過性の場合もあるため、兆候がみられるだけですぐにうつ病だと決めつけるわけにはいきません。
ですが、もしかしたら子供が無意識に発しているストレスサインなのかもしれない、と思うことで、子供の悩みや苦しみにいち早く気付くことができるかもしれません。

理由なくイライラしている、突然泣きだす

子供の機嫌は、ころころと簡単に変わってしまいます。突然泣き出したり、機嫌が悪くなったりする子供に振り回されている大人も多いはず。
ですがそれは、子供と大人の判断基準が異なるだけなのです。子供には子供の基準があって、大人とは違う物の見方をし、大人とは違うことで機嫌が変わります。大人には共感しづらいことがきっかけになる場合も多いので、急に機嫌が変わってしまうように見えてしまいます。
理由なくイライラしているようにみえても、ひょっとしたらとても我慢できないような理由があって苛立ちを募らせているのかもしれません。まずは理由を聞いてみて、対処できるものであれば対処しようとするのも大人の役割でしょう。
ですが、どんなに子供に寄り添って考えても、イライラの原因が思い当たらないというケースもあるはずです。
そういった場合、イライラの原因は外部にあるのではなく、子供の内部にあるのかもしれません。
大人であれば、自分の感情が何に起因しているのかを把握することは難しくありません。イライラしていればその理由を遠ざけたり、解消することができます。悲しいときには気分転換のために楽しいことを思い浮かべたり、人に打ち明けてすっきりすることもできるでしょう。
しかし、判断能力や経験が未熟な子供が同じようにできるかといえば、そうとは限りません。どうしてこんなに胸が苦しくて気分がモヤモヤしているのか、自分の気持ちを把握することさえできていないのかもしれないのです。
そんなとき、まだコミュニケーション能力が十分ではない子供は、イライラしたり泣きだしてしまうといった形で感情を表現しようとします。理由なくイライラしていたり、突然泣きだすようなときには、子供が自分で処理できない感情に苦しんでいるサインだと受け止めることが大切です。

睡眠不足、過眠

学校に行く時間になってもなかなか目を覚まさない、自分では起きられない子供をみて、だらしないからだ、夜更かしをしているからだと決めつけてしまっていませんか?
もしかしたら、それが子供のストレスサインかもしれません。
小児うつ病の典型的な症例の1つに、睡眠障害があります。眠ろうとしているのになかなか寝付けなかったり、十分な睡眠をとったのに眠気がとれずに起きられないという場合には、うつ病が疑えます。強いストレスを感じている子供は、睡眠状態に影響がでる場合が多いのです。睡眠障害が継続する場合には、うつ病の可能性を考えて医療機関で診断を受けてみましょう。
なお、昼寝をしたために夜中に眠れなかった場合や、夜更かしをしてしまったので起きられない場合など、本人の行動に原因がある場合もあるため、朝起きられないからといって必ずしも睡眠障害であるとはいえないため注意が必要です。

登校拒否

登校拒否は、就学児童が示すストレスサインで最も大きく、そして明らかなものです。これまで毎日学校に通っていた子供が、突然学校に行きたくないといいだしたときには、その訴えにきちんと向き合うことが大切です。
この場合、うつ病を患ってしまった原因は学校環境の中にあることが考えられます。まず、細かい原因を聞き出すよりもゆっくりと休養させてることが大切です。
もちろん、先生に叱られたり友達と喧嘩してしまったという理由で学校に行きづらさを感じることは、子供なら誰にでもあることです。子供が自分で解決しようとしているのであれば、それを見守ることも親の役割といえます。手助けを必要としているのであれば、求められる範囲で協力しましょう。原因が解決したり、時間が経って気にならなくなれば、また元気に学校に通えるようになるでしょう。
ですが、いつまでも学校に通いたくならない、悩みや苦しみが晴れないというときには、専門の医療機関や児童相談所などに相談してみてください。学校で受けた心の傷が原因で、うつ病を患ってしまっている可能性があります。
なぜ学校に行きたくないのか、学校で何があったのか、親であれば子供に問いただしたい気持ちもあるでしょう。問題を解決するためにも、原因の把握は大切なことです。
ですが、うつ病の場合には問い詰めすぎると却って逆効果になります。解決しなければ、という思い込みが強いストレスとなって、うつ病をより深刻化させてしまうのです。
子供が、辛くても学校に行かなければならない、学校にいけない自分が悪いんだ、と思い込んでしまわないように、ゆっくり身体と心をリフレッシュする時間を与えることも大切です。
うつ病による登校拒否は、子供が頑張りすぎてしまったために、しばらく休憩を必要としているサインだと考えてみてください。
親として、子供の登校拒否に無関心でいられるはずはありません。不安になりすぎて、ご自身の身体や心まで深く傷ついてしまう方も大勢いらっしゃいます。ですが、悪く考えることで事態が好転することは決してありません。このように、強く思い込みすぎないようにする、というのは子供だけでなく、子供を見守る親にも当てはまることです。そのため、子供のケアだけにばかり気を取られるのではなく、自身の心のケアも入念に行うことが大切です。