家族のサポート

再発予防期のサポート

うつ病の再発予防期

治療が進み、うつ病を患う前とほぼ変わらない生活を送ることができるような段階になると、うつ病の再発予防について考えることが大切になってきます。というのも、うつ病はぶり返しやすい病気だからです。
回復期以後、症状も軽くなってくるため、もう完治したのではないか、もう薬を飲まなくてもいいのでは、と考えてしまいがちです。
ですが、うつ病の薬には「状態を良くする」という効果に加えて、「良くなった状態を維持する」という効果があります。そのため、うつ病の症状がほとんどみられなくなった後でも、半年ほど薬の服用を続ける必要があります。うつ病を治す期間ではなく、再度うつ病になってしまわないようにする期間だと考えましょう。
なお、うつ病の症状にみられる否定的な考え方をやめ、自分がこれからどういった物事のとらえかたをすればよいのかを考えることも、うつ病の再発予防になります。

再発することの危険性

うつ病はきちんとした治療を受ければ治る病気ですが、その一方で再発の可能性が高い病気であります。症状が改善された途端、処方された薬を飲まなくなってしまう方も多いので、ご家族からサポートすることが大切です。
再発の危険性を理解せず、再発を予防するために重要な期間を疎かにしてしまうと、より重度で深刻なうつ病になってしまう危険性があります。
またうつ病を繰り返し再発することにより、抗うつ薬の効果が薄まっていき、さらに改善されににくくなってしまいます。
一回目の治療できちんと治して、うつ病がほとんど回復した良好な状態を保つ“維持療法”を行うことが大切になります。

再発させないために

急性期の後に維持療法を受けることは、うつ病の再発予防にとって最も大切なことです。
うつを患った方を対象にした調査では、急性期の後に維持療法を行わなかった人のほとんどが、再びうつ病にかかってしまっているという結果が報告されています。
繰り返しになりますが、うつ病は再発の可能性が高い病気です。しかしそれは、維持療法をしなかった場合に限られます。
現在のうつ病治療においては、急性期の治療も大切ですが、「いかにして再発を防ぎ、良好な状態を維持するか」を目的とした維持療法が大切であるとされています。

維持療法とは

維持療法とは、うつ病の症状がほとんどなくなり普段の生活を送ることができるようになった後も、抗うつ薬を服用することで再発予防の治療を続けていくことです。維持療法を行った場合では、行わなかった場合よりも再発の頻度が低くなる結果が報告されており、その効果は広く認められています。
維持療法の期間にはそれぞれ個人差があり、担当の医師と十分な相談を重ねながら決めていくことが大切です。初めてうつを患った方でも、およそ半年間は服用を続けます。また、重度のうつ病と診断された方や、うつ病の再発を繰り返した方になると、2~3年の長期的な維持療法が必要とされます。
もう治ったからといって本人にまかせるのではなく、なぜ維持療法が大切なのかをご家族も理解して、継続的なサポートをしていきましょう。
なお、薬での治療だけではなく、ものごとを良い方向に考えるように改善する“認知行動療法”も維持療法のひとつです。

認知行動療法

認知行動療法とは、“物事の考え方”をゆっくりと長い時間をかけて変えていく治療法です。うつ病になりやすい思考パターンを、物事を良い方向に捉えるポジティブな考え方へと変化させていき、根本的な部分からうつ病を治療する効果があります。しかし、長い間しみついてしまった考え方そのものを、1人で変えていくのは大変な作業です。
回復した後にも通院を続けて、担当の医師のサポートを得ることでスムーズに治療を進めていくことが必要です。それに加え、ご家族が本人と一緒に “今までの考え方”と“これからの考え方”を整理していくサポートをしましょう。これも大切な維持療法です。

薬の減らし方

うつ病の治療では、薬の服用を突然止めるということはしません。いきなり止めると、不安感が増したり体調が悪くなったりすることがあります。それを避けるために、担当の医師と本人が相談して少しずつ薬の量を減らしていくというのが一般的です。
薬の量を減らしていく経過で、頭痛やめまいなどといった症状が生じることがあります。そのことで「また悪化したのではないか」と本人が不安になります。そういった時は、ご家族の方からも「具合が悪くなったのは薬の副作用かもしれないから、医師に相談してみよう」とアドバイスして、安心させることが大切です。

不眠には要注意

うつ病のサインに気づいて対処することも、うつ病の再発予防になります。同じ空間で生活するご家族だからこそ気づけるサインがあります。
「ほとんど治ったはずだから、もう大丈夫」と安心せずに、しばらくは些細な状態の変化にも注意することが必要です。
特に不眠は要注意です。不眠はうつ病の方から気力や体力を奪い、うつ病の再発を促す危険な症状です。
寝つきが悪く、朝早くに目が覚めている姿をみかけるようでしたら、担当の医師に相談してみてください。