家族のサポート

やってはいけない!NG集

うつのサポートで言ってはいけない言葉、やってはいけないこと

うつ病を患った方の心は、とてもデリケートな状態です。大切な人がうつ病を患ってしまった場合、できるだけ早く回復して欲しいという気持ちを持つことは当然です。しかしうつ病は、長期的な治療を必要とする病気であり、治療に意欲的な姿勢を示してもすぐに治せるものではありません。焦りや緊張はうつ病の症状を悪化させてしまいます。
特に急性期は要注意です。うつ病の症状が最も重く辛い時期になるので、小さなことでも大きなダメージになることがあります。本人の意志を優先して、自分の気持ちを押し付けることは控え、静かに見守ることが大切です。
うつ病の方への気遣いには、慎重になる必要があります。良かれと思ってかけた言葉が、そのまま伝わるとは限りません。
ここでは、うつ病を患った方に言ってはいけない言葉と、控えていただきたいことについてご紹介します。

「怠けているだけ」「気の持ちよう」

うつ病は、怠惰や気の迷いではなく、病状に分類されます。様々な要因が重なり合った結果、神経伝達物質の分泌バランスが崩れ、脳がエネルギー不全を引き起こしている状態なのです。
本人の意志で怠けているのではなく、また気の持ちようで改善されるものではありません。
うつ病に対して「甘え」「怠けているだけ」というのは、ガソリンが入っていない車に対して「走らないのはおかしい」というのと同じことなのです。元気になるまで、優しく見守ることが大切です。

「がんばって」

うつ病を患う主な原因は、ストレスだといわれています。ストレスで脳の機能が弱ってしまうまで1人で頑張り続けてきたといえいます。
頑張り続けてきた結果、うつ病を患ってしまった方にとって「がんばって」という励ましは逆効果になります。「これ以上まだ頑張らなくてはいけないのか」と、更に本人を追い込む結果になってしまうのです。
また、うつ病によって脳の伝達物質のバランスが崩れている状態では、物事の優先順位をつけることが難しくなっています。そういった状況での励ましは、何から頑張ればいいのか分からずにただ混乱させてしまうだけです。「周囲の期待に応えられない」と、本人が自分を責めることもあります。

原因探し

環境の変化、人間関係の変化、辛い出来事が重なった、過度なストレスを受け続けたなど、うつ病を発症してしまう原因は1つとは限りません。
うつ病は様々な要因が複雑に重なり合って引き起こされます。その原因を、本人でさえ自覚していない場合があります。うつ病が発覚したときにその原因を聞いてみても、うまく説明できないかもしれません。
「この人がうつ病になったのは自分が原因かもしれない」「もっと早くに気がついていれば」と、ご家族や周囲の人が自分自身を責めないためにも、「なぜうつ病になったのか」よりも「これからどうやってうつ病を回復していくのか」を考えるようにしましょう。

気晴らし

リフレッシュになるからと、旅行や買い物に誘うことは逆効果です。
気晴らしになるならいいのでは、と安易に考えがちですが、「せっかく誘ってくれたから断っては失礼だ」「断ることで家族に心配をかけたくない」と、無理やり誘いに乗ってしまうことがあります。
しかし、うつ病は心と身体のエネルギーが空っぽになる病状です。脳の機能がうまく働いておらず、楽しいことを楽しいと思える余裕がありません。誘ってくれた人のことを考えて賛成してくれても、精神的にも体力的にも負担となり、症状が悪化してしまうことがあります。
本人から希望がない限りは、十分に安らげる環境で安静にすることを優先することが大切です。うつ病が少しずつ回復していき、物事を楽しめる心の余裕を持ったときに、ようやく気晴らしも大切になります。
そのときには、うつ病を患った方が負担にならないように、「本人が希望することの半分から」スタートしていくように余裕を持って接しましょう。

重大な決断

うつ病を患っている間は、物事の捉え方が極端に否定的になったり、偏った決断をしてしまいがちです。
普段の本人からは想像もつかないような言動をとることがあり、物事を悪い方向にばかり考えてしまいます。
しかし、この傾向は本人に元から備わっているものではなく、うつ病による一時的な症状であることをご家族の方は十分に理解することが大切です。
仕事をしている方は咄嗟に「辞職したい」と決断してしまうかもしれません。
結婚をしている方なら、「離婚したい」と急に言い出すかもしれません。
話し合おうしてもこちらの意見を聞いてくれないことも多く、うつ病の方に引きずられてしまうこともあります。もしそのような話を持ちだされたら、「今は休むことだけを考えて、回復してから少しずつ一緒に考えていこう」とアドバイスして、安心してもらうことが大切です。

勝手な自己判断

うつ病の治療は、専門的な知識や医師の的確な判断を基にして進めていきます。抗うつ薬の量や次の治療段階に移るタイミングは、担当の医師としっかりと相談して決めなくてはなりません。
「抗うつ薬には依存性や常習性があるのはないか」と心配になった本人が自己判断で薬の服用をやめてしまったり、また家族がやめさせてしまったりするケースがあります。ですが、薬は必要だからこそ処方されているのです。そのため、医師の判断もなく薬の服用を中断すると、それまでの治療も台無しになってしまいます。
薬に関することだけではなく、治療中の疑問点や不安に感じていることは担当の医師に相談するようにしましょう。環境の変化を考えているときは、医師からのアドバイスを必ず聞いてください。