パニック障害からうつ病に? その関連性を知る

うつ病を知る

うつ病は、ほかの精神疾患と併発するパターンがしばしばみられます。代表的な例には、自律神経失調症や統合失調症、摂食障害などが挙げられます。このことから、うつ病はほかの精神疾患と深い関係にあると考えられています。精神疾患のなかでも「パニック障害」の患者は、のちに半数以上がうつ病を発症したというデータもあり、うつ病と深い関係があると言われています。今回は、そのパニック障害とうつ病の関係性について解説していきます。

パニック障害の患者の多くが二次的うつにかかる可能性がある

パニック障害とうつ病には共通点がある

パニック障害とは、「パニック発作」と呼ばれる発作を突然引き起こし、社会生活に支障をきたす疾患のことを指します。パニック障害の具体的な症状としては、「手足が震える」、「冷や汗がでる」、「吐き気がする」「激しい動悸がして息苦しくなる」といったものが挙げられます。また、「このまま死ぬのではないか」といった強い恐怖感が襲ってくるのもパニック発作の大きな特徴です。

さらに、このパニック発作は1度で終わるものではありません。発作が不規則に繰り返されます。パニック発作が起こる頻度や程度には個人差があり、専門医であっても発作が起こるタイミングを予測できません。患者は、「またパニック発作が出てしまうのでは」と、いつ発作が出るかわからない状況に強い不安感を抱き、外出するのを控えるようになります。この症状は「予期不安」と呼ばれます。この予期不安は、以前パニック発作が起きた場所や人が多い場所、逃げ道がない場所に対して強い恐怖感を抱く「広場恐怖」に繋がります。

パニック障害が起こる原因としては、精神を落ち着かせる神経伝達物質である「セロトニン」の分泌異常が考えられます。具体的には、精神活動を司る「大脳」や、不安や興奮が生まれる「大脳辺縁系」のセロトニンの分泌に異常が起こり、その結果パニック障害が引き起こされると考えられています。

同様に、うつ病もセロトニンの分泌不足で起こると言われています。精神安定剤の役目を持つセロトニンが不足すると、脳は平常心を保つことが難しくなってしまいます。その結果、常に心身が緊張したり、意欲や集中力が失われたりしてうつ病になると考えられています。これらの共通点から、パニック障害とうつ病の治療にはセロトニンの分泌を整える抗うつ剤「SSRI」が処方されます。

パニック障害のストレスでうつ病が引き起こされる

前述したとおり、パニック障害とうつ病には大きな共通点があります。アメリカで行われた調査によると、パニック障害の患者の内、55.6%がうつ病を併発したと報告されています。しかし、パニック障害とうつ病が併発しやすい要因はセロトニンの分泌異常だけではありません。パニック障害によるストレスも、うつ病を併発する大きな要因です。予期不安や広場恐怖によるストレスはもちろん、それらによってひきこもりがちになることで多大なストレスが蓄積されます。ひきこもりがちになると社会的に孤立し、経済的な問題もでてきます。しかし、外出することは難しく、ネガティブな思考が堂々巡りとなってストレスが蓄積されるのです。このストレスと前述したセロトニンの分泌異常が重なり、うつ病を発症しやすくなると考えられています。

パニック障害から起こる二次的うつ」とは

パニック障害から移行するうつ病は、「二次的うつ」と呼ばれます。この二次的うつには、従来型のうつ病とは異なった症状がみられます。

従来型のうつ病は、「気分のふさぎ込み」「イライラ」「集中力や意欲の低下」といった抑うつ症状が常にみられます。対する二次的うつの特徴は、通常時には「イライラ」「気分の落ち込み」「集中力・意欲の低下」といった抑うつ症状はみられません。しかし、一度悪いことが起こると激しい抑うつ症状が表れます。二次的うつの抑うつ症状は従来型のうつと違って常にみられるものではないため、気づかれにくいという特徴があります。「夕方から夜にかけて調子が悪くなる」「手足が鉛のようにずっしりと重くなる」といった症状が表れたら、二次的うつを疑って専門医の診断を受けることが大切です。

なお、パニック障害とうつ病が併発した場合、まずはうつ病の治療を行います。これは、先にうつ病の治療をすることで、患者がパニック障害の治療にも前向きに取り組めるためです。

まとめ

さまざまな精神疾患と関係があるうつ病。そのなかでも、パニック障害は原因や処方される抗うつ剤の共通点から、様々な研究が進められています。この2つの疾患の関係性を知ることは、適切な対応や治療をすることにも繋がります。

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