保険適用となった、うつ病を識別する光トポグラフィー検査

うつ病を知る

うつ病についての研究は日々進んでおり、原因や発見方法、治療方法などが少しずつ明らかになってきています。

うつ病の発見方法として大きな注目を集めているのが、「光トポグラフィー検査」です。

この検査を用いると、うつ病かどうか、あるいはその他の精神疾患なのかどうかを高い精度で識別することができます。

この光トポグラフィー検査は、2014年4月から保険が適用されるようになりました。ここでは、その経緯やこの検査の意義について紹介していきます。

正しい治療へつなげるための光トポグラフィー検査、保険適用で身近に

精神疾患の見極めできる検査

うつ病を含む精神疾患は、診断するための客観的な方法が確立されていません。そのためこれまでは、精神科医は問診などによって判断するしかなく、ベテランの医師であっても誤診のリスクがあったのが実情です。そんな状況の中、客観的な検査でうつ病を識別し、問診と合わせることでより高い精度でうつ病の診断をすることに成功したのが光トポグラフィー検査です。

光トポグラフィー検査ではMRI(核磁気共鳴画像法)を用い、前頭前野の血流の流れを測定します。この検査により、その患者がうつ病なのか、その他の病気なのかが高い精度で判断できるようになりました。光トポグラフィー検査で診断できるのは主にうつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症の3つです。

なお、光トポグラフィー検査も完璧ではなく、100%の精度で見極めができるわけではありません。しかしこれまでに比べると誤診の可能性が減少したため、注目を集めています。

保険適用とってより身近検査に

光トポグラフィー検査が本格的に研究され始めたのは、2004年のことです。複数の大学により臨床データが集められ、うつ病や双極性障害などの具体的な見分け方が明らかにされてきました。

光トポグラフィー検査は2009年、厚生労働省により先進医療に認可されました。先進医療となったことで光トポグラフィー検査は注目を集めるようになり、多くの病院にて取り入れられました。しかしこの頃はまだ保険適用ではなく、光トポグラフィー検査を受けるためには多額の費用を必要としました。

光トポグラフィー検査に保険が適用されるようになったのは、2014年4月のことです。保険適用となることにより、全費用の3割のみ負担することで光トポグラフィー検査を受けられるようになりました。

その費用は、およそ4,000円です。

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上述のように、光トポグラフィー検査を用いると精神疾患の診断の精度が大きく増すため、誤診により不適切な治療を続けてしまう可能性が少なくなりました。

ただ、光トポグラフィー検査を保険適用させて運用するには厳しいチェックを通らなければなりません。そのため、現在も小さな診療所では保険が適用されていないことがあり、その場合は多額の費用がかかります。

光トポグラフィー検査が保険適用となった背景には、うつ病患者の数の急増があります。

厚生労働省の調べによると、平成8年から平成20年までの12年間で、うつ病患者は2.4倍に増加しています。

そのため、厚生労働省もうつ病の対策に力を入れており、その対策の一環として光トポグラフィー検査が保険適用となりました。

ほかにも検査方法が開発されている

このようにうつ病治療に大きな貢献を果たしている光トポグラフィー検査ですが、その精度は100%ではありません。そのため、うつ病かその他の病気かを診断するための検査方法は現在も研究が進められています。

そのなかでも、遺伝子のひとつであるBDNFの変化を調べる検査が成果を出しており、すでにうつ病・統合失調症・健康者を100%に近い精度で識別できるようになっています。まだ研究段階の検査方法で、実用化へ向けてさらなる研究が進められています。

まとめ

うつ病かどうかを診断する技術は日々向上しています。「うつ病かもしれない」、「うつ病や統合失調症の治療をしているけど効果が感じられない」といった場合は、他の病気である可能性もあります。

光トポグラフィー検査を受けられる病院を探し、受診されることをお勧めします。

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