うつ病の重症化を防ぐ「ストレスケア病棟」とは?

うつ病を知る

うつ病は、重症化し、自傷行為や自殺念慮がある場合などは、本人の意思に関わらず入院治療が必要となる場合があります。
一方、中度や軽度のうつ病の場合は、外来治療が一般的です。しかし、うつ病が重症化しないよう、患者の任意で入院してストレスケアを行う「ストレスケア病棟」というものがあります。
ストレスケア病棟では、精神的な安定を図るために心のケアを行ったり、うつ病の再発防止のためにストレスに対処できる力を身に付けたりと、うつ病改善に向けての治療が行われます。ストレスケア病棟ではどんな取り組みが行われているのかご紹介します。

ストレスケア病棟に入院し、集中的にうつ病を治療する

ストレスケア病棟でうつ病の重症化阻止

うつ病が重症化した場合は、本人の意思に関係なく強制的に入院治療を行います。しかし、うつ病が重症化していな中度や軽度のうつ病でも、本人の意思さえあれば入院治療が受けられます。
うつ病は、症状の進行度によって「軽症」、「中等症」、「重症」の3つに分けられます。軽症は「やる気が起きない」、「体がだるい」、「朝早く目が覚めてしまう」などのうつ症状はあるものの、日常生活にそれほど大きな影響が出ない状態です。
中等症は「仕事に遅刻してしまう」、「欠勤してしまう」など日常生活に影響が出る状態です。
重症は、「1日中気分が沈む」、「食欲がないため食事をしない」、「自殺を考える」など生命の危機に関わる状態です。

日本にストレスケア病棟が開設されたのは、1980年代後半のこと。福岡市内の病院にて、うつ病患者のストレスケアを行う入院施設が初めて開設されました。ストレスケア病棟に入院できるのは、うつ病診断チェックなどを行った上でストレスケアが必要と判断されたときです。
ストレスケア病棟に入院すると医師や看護師が身近にいることから、すぐにうつ病の相談ができます。また、うつ病の治療を集中的にできるため早期改善が期待できます。

ストレスケア病棟生活リズムを整えられる

一般病棟では、6~8人用の病室に入院しますが、ストレスケア病棟では、ゆっくり休息できるように個室や4人用の病室に入院します。医師の許可があれば、自由に外出や外泊ができます。

うつ病になると、十分に睡眠がとれなくなる「不眠症状」や、寝すぎてしまう「過眠症状」が表れることがあります。
このように、眠れなかったり寝すぎてしまったりと不規則な生活を送ると、自立神経の乱れに繋がります。うつ病は自律神経が乱れることで起きるといわれる病気のため、病気を改善するためには自律神経を整える必要があるのです。
ストレスケア病棟に入院すると、朝早く起床して夜は早く就寝します。そのため、規則正しい生活を送り、自律神経を整えることができます。

また、うつ病を改善するには軽い運動が効果的といわれています。これは、1980年代にノルウェーの精神科医が行った実験で明らかになったことです。
重症のうつ病と診断された49人のうつ病患者が2グループに分かれ、1つのグループは1週間に何度か軽い運動を、もう1つのグループは作業療法を行いました。
実験を始めてから約2カ月後、軽い運動を行ったグループでは多くの人にうつ病の改善がみられたのです。

うつ病になると、何もやる気が起きないなどの「意欲低下」の症状がみられるため、運動をして体を動かすことはほとんどありません。ストレスケア病棟に入院すると、ラジオ体操やヨガなどの軽い運動を行い、うつ病の改善を図っていきます。

運動がうつ病改善に効果的とされる理由は、運動をすることで神経伝達物質「セロトニン」の分泌量を増やすことができるためです。うつ病患者は、セロトニンの分泌量が少ない傾向にあります。
伝達物質の分泌量が少なくなるのは、不規則な生活や溜め込んだストレスが関係していると考えられています。
セロトニンが減少することで、「感情のコントロールができなくなる」、「落ち込みやすくなる」などのうつ症状が表れるといわれています。そのため、うつ病を改善するためにはセロトニンの分泌量を増やす必要があるのです。

まとめ

うつ病は、初期段階で治療をすることで早期に改善できます。重症のうつ病でなくても、入院治療は可能です。入院治療をして治療に専念したい方は、ストレスケア病棟へ入院することを検討してみましょう。

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