うれしい、幸せな出来事が原因でうつ病に!?

うつ病を知る

辛いことが起きると、人間誰しも落ち込んでしまうもの。その落ち込みがひどくなると、心を蝕み、大きなストレスとして蓄積していきます。これが原因となって、うつ病のような精神的な病気を引き起こしてしまうことも。しかし、ストレスの原因は辛い出来事だけとは限りません。本来であれば嬉しい、幸せなことであっても、場合によってはストレスの元となってしまうこともあるのです。いったいなぜ、人は幸せなことにまでストレスを感じてしまうのでしょうか。

「昇進うつ」「マリッジブルー」・・・。幸せでも感じるストレスを自覚する

「良いこと」の裏に潜むストレス

ストレスを受ける原因は、人によっても様々です。ある人からすれば何気ないことでも、ある人にとってはとても大きな問題になることもあります。たとえば、結婚について考えてみましょう。

大好きな人と一緒に人生を歩んでいく、そのスタートとなる結婚は、誰にとっても嬉しいことですし、幸せなことのはず。ですが「嬉しいはずだ」「幸せなはずだ」と思い込むあまり、それに伴う不安や不満に気がついていないだけかもしれません。たとえば結婚相手やその親族との人間関係や、生活を共にすることで、自分のプライベートが確保できるのだろうかという不安など。「結婚は人生の墓場だ」という意見もあります。まったく不安がない、という人のほうが少ないでしょう。

そういった様々な不安がストレスへとつながり、幸せなことのはずなのにうつ病の発症原因になってしまうことがあります。もちろん、結婚に限った話ではありません。たとえば会社での昇進がうつ病の要因となることもあります。昇進自体は嬉しいことですが、それに付随して会社での責任は重くなり、環境も大きく変化することが精神的なストレスとなって、うつ病を発症してしまうのです。

ストレスによる幸せホルモンの減少

うつ病の発症原因には、セロトニンという物質が大きく関係していると考えられています。セロトニンは別名「幸せホルモン」ともいわれており、心の安定や安らぎをもたらしてくれます。幸福を感じるとセロトニンの分泌量は増加し、幸福感をもたらします。ですが逆に、不安やストレスを感じ続けているとセロトニンを分泌するニューロンの働きが弱まり、体内のセロトニン濃度が減少してしまうのです。そうなると、幸福感の喪失に苛まれ、心のバランスを崩してしまう恐れがあります。

大抵の場合、ニューロンの機能低下状態はすぐに回復します。しかし、ストレスを発散しきれずに抱え込んでしまったり、耐え難いほどの強いストレスを感じると、ニューロンからまったくセロトニンが分泌されなくなり、うつ病を発症してしまいます。結婚や昇進といった嬉しい出来事では、幸福感にまぎれて、伴うストレスは小さなもののように感じられてしまいがちですが、それが蓄積されることでうつ病を発症させる原因になるのです。

気付きにくいのは認識不足が原因

前述したように、うつの症状が出た場合には手早く対処することが大切です。しかし、嬉しい、幸せな出来事が原因で起こるうつは、非常に気付きにくいという側面があります。これはなぜなのでしょうか?

理由としては、嬉しいこと、幸せなことが原因でうつになるという認識を持っている人が少ないということが挙げられます。一般的にうつは、辛い出来事を体験した際になるものだという認識があります。そのため、うつの症状が出たとしても一時的な反応だと思ってしまうことが多いのです。うつになる可能性すら認識していなければ、疑うこともできません。ただの幸せ疲れだ、と思っているうちに、症状がどんどん悪化してしまうということになりかねません。

まとめ

自分ではストレスだと思っていないことでも、身体はストレスを感じてしまうことがあります。先にご紹介した結婚や昇進のほかにも、期待されることそれ自体にストレスを感じることも。こうした本来嬉しいこと、幸せなことが原因で引き起こされるうつ病を悪化させないためには、まずそういったことでもストレスが溜まるということを認識するところから始めなければいけません。これを理解したうえで、少しでも不調を感じた場合には、医療機関を受診したり、カウンセリングを受けたりといった適切な対処を心がけましょう。

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