うつ病の一側面「気分変調性障害」の恐さとは

うつ病を知る

ここしばらく、一日中ずっと元気がない状態が続いている。そんなとき、「自分はもしかしたら、うつ病になってしまったのでは」と不安になってしまいませんか。理由なく気分が落ち込んでしまったり、不安が続いてしまうのはうつ病の典型的な症状です。ですが、その症状が「比較的軽くて」、「一日中」、そして「二年以上継続して」いるのであれば、ひょっとしたらそれはうつ病ではなく、「気分変調性障害」なのかもしれません。

うつ病の一側面である気分変調性障害の特徴と対策

厚生労働省の調べによれば、平成23年度のうつ病患者数は約100万人。日本人の生涯有病率は3%~7%と、欧米よりもやや低い水準となっていますが、この数値も年々増加傾向にあります。このままでは、うつ病が日本人の国民病といわれる日もそう遠くないかもしれません。

皮肉なことに、こうした現状からうつ病に対しての理解は近年急速に深まってきています。これまで「甘えているだけ」「サボりたいだけ」というレッテルが貼られ、周囲からの理解を得られずに苦しんでいた人も多い病気でしたが、少しずつ社会全体で受け入れる態勢が整ってきました。

一方、うつ病にはまだあまり知られていない側面も数多くあります。たとえば、気分変調性障害もそのひとつです。

「ちょっと元気がない」状態がずっと続くのが特徴

気分変調性障害とは、「軽度の抑うつ状態が一日中、二年以上に渡って慢性的に継続する症状」のことです。より端的にいえば、「ちょっと元気がない」状態がずっと続くのが、気分変調性障害の特徴です。そのため、アメリカ精神医学会が発行しているDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)では、「慢性うつ病性障害」として分類されています。

一般的なうつ病との違いは、まずその症状の重さ。気分変調性障害の抑うつ状態は比較的軽度と言われており、心身症を併発したり、突発的に自殺に及んでしまうなどの最悪なケースにまで発展することはほとんどありません。あくまで気分変調症害の症状は、軽い抑うつ状態に限られるのです。

軽いうつ状態が続くだけなら放っておいても大丈夫?

軽い抑うつ状態になることは、うつ病患者に限らず誰にだってあります。では、軽い抑うつ状態が続くだけなら、特に深刻に構える必要もなくそのまま放っておいても大丈夫なのでしょうか。

もちろん、そんなことはありません。気分変調性障害の恐ろしいところは抑うつ状態の重さではなく、常に抑うつ状態が続くという持続性にあるのです。

誰にでも起こりえる抑うつ状態は、ごく短時間で改善されます。たとえば、楽しいことや嬉しいことがあれば、一般的な抑うつ状態から回復することもできます。しかし、気分変調性障害にかかると常に抑うつ状態が継続しで、楽しいことや嬉しいことがあっても気分が晴れることはありません。自然に回復することができないという点が、抑うつ状態と気分変調性障害の大きな違いです。

気分変調性障害の症状は、日常生活に支障が出るほどのものではないため、ご自身でも気付けない場合が多々あります。また、落ち込みや不安が感情としてはっきり表に出ることも少ないため、周囲からも気づかれにくいのです。
「何となく体調が悪い、気分が優れない・・・・・・でも、ちょっと疲れているだけだろう」
そんな風に軽んじているうちに、少しずつストレスが蓄積していき、それが引き金となってうつ病を発症するリスクもあります。まさに、「心のサイレントキラー」。程度が軽く、ただちに治療が必要とは考えにくい病気ですが、悪化しないうちに手を打たなければ大変なことになってしまいます。

まとめ

ちょっと落ち込んでいるだけ。それがたまたま長く続いているだけ。気分変調性障害は、見方によってはこんなに楽観的なものなります。しかし、気分の落ち込みや不安が一日中、しかも慢性的に収まらない状況は、明らかに健全な精神状態ではありません。楽しいことや嬉しいことがあっても何となく喜べない、そんなときには気分変調性障害を疑ってみてください。「ひょっとして……」と思ったら、すぐに医師やカウンセラーに相談しましょう。

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