心臓病・脳卒中・糖尿…うつ症状も併発する疾患

うつ病を知る

不規則な生活を送っていると、以前と同じ睡眠時間では疲れが取れなくなったり、少しの運動でも息切れを起こしてしまったりします。身体機能が衰えるに連れ、「心臓病」や「脳卒中」、「糖尿病」などのリスクも増加します。これらの疾患になると、うつ病の発症率は数倍にも跳ね上がるといわれています。心身双方の健康を守るためには、まず原因を把握しておきましょう。ここでは、上記の疾患とうつ病との関連性について、ご紹介します。

うつ症状を併発する疾患について

心臓病との関連性

心不全や心筋梗塞といった心臓病は、高血圧や動脈硬化、ストレスなどの要因によって発症し、心臓が正常に機能しなくなります。そうなると、全身に血液を十分な量供給することが難しくなり、血液中に含まれる酸素や栄養素が体内に行き渡らなくなり、最悪の場合には死に至ります。

心臓病による栄養素の不足は、うつ病にも繋がりやすいです。中でも鉄分や亜鉛などの栄養素が不足すると、抑うつ症状が現れるといわれています。鉄分や亜鉛には、うつ病と密接な関わりのある「セロトニン」や「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」といった伝達物質の生成を補助する役割があるためです。また、栄養素が不足すると、自律神経の乱れも生じます。自律神経が乱れてしまうと、食欲不振や睡眠不足といった症状があらわれます。これらの症状が、うつ病を引き起こす原因になることもあります。心臓病患者のうつ病発症率は約20%といわれており、その後の死亡率にも関わるという研究結果もあります。

脳疾患との関連性

脳疾患には、脳の血管内に血栓ができて詰まってしまう「脳梗塞」や、脆くなった血管が破れてしまう「脳出血」などがあります。これらの疾患は半身が麻痺したり、手足が痺れたりなど深刻な症状があらわれます。

脳疾患は身体機能だけでなく、脳内にも大きな変化をもたらします。セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンといった伝達物質の分泌に影響を与え、バランスを崩してしまいます。伝達物質にはそれぞれ役割があり、気持ちや意欲、性格にも関係しています。このバランスが崩れることによって、うつ病の発症リスクが上がるといわれています。脳疾患が発症してから性格が変わったと感じる場合、うつ病の疑いがあります。

糖尿病との関連性

糖尿病の原因には、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンと、それを受け取るインスリン受容体の存在が大きく関わっています。このインスリンと受容体が健康であれば、糖が細胞に吸収されます。しかし、食事のバランスが偏り、どちらか(もしくは、どちらも)に異常がでると、糖が吸収されずに体外へと排出されてしまいます。これが、糖尿病です。

インスリンが正常に働かなくなると、抑うつ症状が現れやすくなるという統計上のデータがあります。糖分が吸収されないことによって、伝達物質の生成が阻害されるためだと考えられています。糖分は脳が働くために必要不可欠な栄養素です。糖分が不足し、脳の働きが鈍くなると、神経伝達物質の生成にも影響を与えます。そのため、うつ病と大きな関連性があると考えられているのです。

まとめ

上記で挙げた疾患は、うつ状態が深刻化することによってさらに悪化する、といわれています。うつ病によって治療への意欲が低下し、通院をやめてしまったり、リハビリテーションに励めなくなってしまうためです。そのため、治療においては疾患そのものに対するアプローチだけでなく、精神面へのアプローチも必要となります。ご自身で抑うつ症状の自覚がある、または周囲の方からみて抑うつ状態にあると判断できるような場合には、治療を続けながら精神科の診断を受けてみてください。そこでうつ病だと診断されても、焦る必要はありません。まずはゆっくりと、うつ病を治していくことを考えていきましょう。

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