脳の病気が原因で発症する「器質性うつ病」に注意

うつ病を知る

うつ病を発症するのは、ストレスなどの精神的なことだけが原因ではありません。
病気など身体的なことが原因で、うつ病を発症することもあります。
身体的なことが原因で発症するうつ病を「身体因性うつ病」といいます。
身体因性うつ病には、脳の病気が原因で発症する「器質性うつ病」と、脳以外の病気が原因で発症する「症状性うつ病」、などがあります。
そのなかでも器質性うつ病は、脳の病気の後遺症と勘違いされがちでうつ病と気付かれにくい傾向にあります。
ここでは、特に気をつけたい「器質性うつ病」についてご紹介します。

脳の病気の発症後に20%~40%の人がうつ病を発症

うつ病は、脳卒中や脳腫瘍など脳の病気が原因で発症することがあります。このように脳の病気が原因で発症するうつ病は、「器質性うつ病」と呼ばれています。
脳の病気の発症後に、20~40%の人がうつ病を発症しているといわれています。脳の病気を発症すると、感情のコントロールを行う前頭葉に影響がでることがあります。また、脳の病気を発症したことで不安を感じたり、ストレスを感じたりする人が少なくありません。これらのさまざまな要因が重なることで、脳の病気の発症後にうつ病を発症するのではないかと考えられています。

うつ病が脳の病気のせいだと勘違されやすい

脳の病気を発症した後に、うつ病を発症してしまう事例は少なくありません。そのため、「意欲の低下」や「倦怠感」などの症状がうつ病と気付かれにくい傾向にあります。「元気がないのは脳の病気が原因なのだろう」と、周りの人が脳の病気の症状として捉えられてしまうケースが見られます。

うつ病を発症していることに気付かず、そのまま放置するとうつ症状はどんどん悪化してしまいます。そして、「リハビリをする気分になれない」など本人にやる気が起きず、その結果、脳の病気の回復が遅れてしまうことに繋がります。上記のように、脳の病気の後にうつ病を発症する可能性は高いので、「意欲の低下」や「倦怠感」がみられるようであれば、うつ病を疑い、精神科を受診させるようにしましょう。

うつ病と思ったら実はの病気を発症していることも

うつ病だと思っていた症状が、実は脳の病気が原因で表れていた症状だったということもあります。脳の病気の症状では、「頭痛」や「倦怠感」、「食欲低下」などうつ病と似たような症状が表れることがあります。うつ症状が表れ、心療内科や精神科などの病院へ行くと、うつ病と診断されるかもしれません。しかし、実際は脳の病気が原因でうつ病に似た症状が表れることもあります。

うつ症状が表れたため「うつ病だろう」と思っていた人が、実は脳腫瘍を発症していたというケースがあります。60代の女性は、「倦怠感」、「食欲低下」などの症状が表れたため病院へ行きました。うつ病の可能性はあったものの、念のためにと医師は脳のCT検査をしました。すると、その女性に脳腫瘍があることが判明したのです。幸い、脳腫瘍は他の部位に転移する可能性のない良性だったため、手術の必要はありませんでした。

脳の病気は、「倦怠感」や「食欲低下」だけでなく、「突然の頭痛」や「言語障害」などの症状も表れることがあります。うつ病と思っていても、脳の病気が隠れている可能性があるため、うつ病と診断されても脳の検査は受けておいた方がいいかもしれません。

まとめ

うつ病を発症するのは、「脳の病気が原因」ということがあります。脳の病気を発症した後は、病気のせいでうつ症状が表れているのだろうと勘違いされやすい傾向にあります。うつ病は放っておいてもよくなる病気ではないため、早期で治療をすることが大切です。脳の病気の発症後にうつ症状が続いていたら、心療内科や精神科で診てもらいましょう。
また、うつ病と思っていても、実は脳の病気が隠れていることもあります。心療内科や精神科でうつ病と診断されても、MRIやCTなどの脳の検査も受けておきましょう。

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