うつ病と不安障害の違いと深い相関性

うつ病を知る

うつ病とよく混同されがちなのが、パニック障害、PTSD、強迫性障害といった不安障害です。うつ病とこれらは別の病気ですが、両方とも症状や原因に個人差が大きく、見分けが難しいといわれています。また不安障害とうつ病は併発することも多く、切っても切れない関係といえます。ですが、病態が異なれば治療方法も異なるので、不安障害なのかうつ病なのか、その見極めが重要となります。

不安障害(パニック障害、PTSD、強迫性障害)の症状と対処法を知る

不安障害とは?

パニック障害、PTSD、強迫性障害といった、不安を主な症状とする精神疾患をまとめて「不安障害」と呼びます。先に挙げた3つの精神疾患のほかにも、あらゆる事柄について過剰な不安と心配を感じ、常に緊張状態となってしまう全般性不安障害など、さまざまな下位分類があるのが不安障害です。

パニック障害ではさまざまな要因により、突然の激しい動機や息苦しさ、めまいなどが伴う強い不安に襲われるパニック発作が起きます。パニック障害では発作のほかに予期不安・広場恐怖と呼ばれる、発作を恐れて仕事を辞めたり出かけるのを控えるなどの不安症状が出ます。これらの症状は患者を引きこもりがちにし、うつ病を発症させる要因ともなります。

PTSDは強い精神的ストレスやショック体験により、心がダメージを受け、長い時間が経っても強い恐怖を感じるものです。つらい記憶が何度も蘇ったり、常に緊張していたり、感情や感覚が麻痺してしまったりします。

強迫性障害は、強い不安やこだわりによって度を越した行動をとってしまうものです。いかなる時も同じ方法を取らなくては気が済まない、数字に異常にこだわるなどの症状があります。いわゆる潔癖症も強迫性障害の一種です。多少のこだわりや不安などは問題ありませんが、こだわりが過ぎ、日常生活に支障が出ている場合は強迫性障害の可能性があります。

不安障害からうつ病へ発展という負の階段

不安障害の多くは、過剰な不安や心配を抱え、不眠になったり、発作を心配するあまり行動範囲が狭まったりするなど、日常生活に支障をきたしやすい病気です。朝起きられなくなって仕事を辞めてしまったり、発作が怖くて買い物にも満足に行けなくなるなど、必然的に引きこもりがちになります。そうすると、何をしても楽しくなくなる、自分を責める、自分には価値がないと思うようになるなど、抑うつ状態になりやすく、結果的に不安障害とうつ病が併存する結果となります。パニック障害では、患者の半数以上がどこかの時点でうつ病を併存しているという疫学調査が出ています。

不安障害で弱った精神状態でうつ病が併存すると、うつ病が重症化しやすく、不安障害も慢性化しやすくなります。不安な気持ちが解消できずに抑うつ状態になり、抑うつ状態で何もする気が起きないから前向きな治療ができない、という負のスパイラルに陥りやすいのです。また、うつ病の患者の中でも、不安障害を併存しているのに見過ごされ、適切な治療がなされていないケースも多くあります。

まとめ

不安障害は誰しもが経験する「不安」というありふれた感情が症状となるため、本人や周囲も「気のせいだ」「こういう性格なんだ」と思い、見過ごされてしまうことの多い精神疾患です。まずは自分の疾患をきちんと把握しましょう。家族や周囲の人にも、治療できる病気であることを正しく理解してもらい、サポートしてもらうことが大切です。

不安障害はうつ病とは別の病気ですが、併発しているケースも多く、原因や症状が密接に関係しています。検査でも客観的な所見が出にくく、医師でも診断が難しいことが多くあります。自分一人で判断せず、医師の診察を受け、診断に不満があるようでしたらセカンドオピニオンを求めるのも選択肢の一つです。信頼関係を築くことのできる、相性のよい医師を見つけましょう。大切なのは決して一人で悩まず、家族や身近な人に相談してみたり、医療機関を受診してみるなど、周囲の助けを借りることです。

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