看護師でも「うつ病」は無縁じゃない!予防・改善の3つの方法と周囲が取るべき対応とは?

うつ病を知る

 

医師と共に患者さんのケアをする看護師は、患者の目から見れば病気とは無縁なのではないかと誤解されがちです。しかし、看護師の職務は責任感も緊張感も強く、懸命に看護に当たっても報われないことも少なくありません。

 

そのため、慢性的にストレスを抱えてうつ病を発症してしまう人も多いのです。ここでは、看護師にうつ病率が高い理由やうつ病のセルフ分析法、うつ病の予防・改善方法、治療法などを紹介します。

 

看護師のうつ病率が高いのには理由があった!どんな看護師にもあるうつ病リスク

 

看護師がうつ病になってしまいやすい大きな理由として、看護師はその職務内容上、患者さんの命と向き合う場面も多く、非常に責任感の強い仕事であることが挙げられます。

 

もともと看護師には責任感が強い人が多いため、終業後も患者さんの状態が気になってしまって心が休まる時間がなくなり、うつ病を発症してしまう人は少なくないのです。また、仕事の頑張りすぎやいくら努力しても救うことができない患者さんがいるという現状に心が疲弊し、燃え尽き症候群からうつ病を発症してしまうこともあります。

 

もう1つの理由は、職場環境によるものです。看護師と一言でいっても、勤め先により求められるスキルや技術は大きく異なります。急性期病院や外来、診療所、回復期や慢性期の病院など、それぞれの勤務先が求めるものと自分の適性が合わないこともあります。

 

そういったときフラストレーションを感じ、それが積もり積もってうつ病に発展してしまうことも多いのです。また、職場の人間関係にストレスを感じて、うつ病を発症してしまうケースもあります。

 

うつ病かもしれないと感じたら? 1分でできるうつ病セルフ分析

 

仕事に追われて息抜きができていない、慢性的にストレスが溜まっているという人は、一度自分がうつ病になっていないか、自分の状態を見直してみましょう。病院で相談する時間がなくても、直近2週間の自分の状態を振り返ることでうつ病の可能性があるか判断することができます。

 

まず確認しておきたいのは、1日中憂鬱で気持ちが沈んでいる状態が2週間ほぼ毎日続いていないか、これまで楽しめていたことが楽しめなくなったり興味が失われたりしていないか、という点です。この2つの状態のどちらか一方にでも当てはまれば、うつ病の可能性があります。

 

次に、以前はなかった慢性的な倦怠感、睡眠障害、集中力や決断力の欠如などが毎日感じられるようになっていないか振り返ってみましょう。加えて、食欲不振や食欲過多、体重の急激な増減なども生じていないか見直すことも大切です。このほか、「話し方など動作が鈍くなる」「常にイライラして落ち着かない」「自分には価値がない」「死んでしまいたい」などと感じることも、うつ状態に現れる典型的な症状です。

 

これらの症状に4つ以上当てはまり、またその症状によって仕事や家事などの日常生活に支障が現れていれば、うつ病の可能性は高くなります。もし、セルフ分析の結果からうつ病の可能性が高いことが分かったら、できるだけ早めに時間を作って心療内科などを受診して相談するようにしましょう。

 

うつ病の予防・改善に繋がる3つの方法

 

うつ病を予防・改善するためには、うつ病の原因となっているストレスを解消することが最も有効です。なにがストレス源になっているのか、取り除くためにはどうしたら良いのか、一度自分自身を見直してみましょう。もし、自分ではストレス源が把握できないようであれば、信頼できる人に相談してみるのも方法の1つです。人に自分の話をしていく中で、気付くことができなかったストレス源をみつけることもあります。

 

また、睡眠や趣味の時間などのリラックスできる時間を確保することも心の安定に繋がります。天候の良い日に外に出て、散歩などの軽い運動をするだけでも気分が軽くなることは少なくありません。

 

しかし、趣味や運動を「やらなければならない」と無理やり行うことは症状を悪化させる原因になります。「今日は調子が良いから、少しやってみようかな」と思えるようになったら、チャレンジしてみましょう。

 

普段、栄養バランスの偏った食事を摂ることが多い人は、食事内容を見直すのもおすすめです。うつ病は、脳内伝達物質の1つであるセロトニンの分泌量がストレスにより減ってしまうことも原因の1つです。

 

そのため、セロトニンの原料となるトリプトファンという必須アミノ酸を多く含む食材を摂ることで、うつ病の予防や改善効果が期待できるといわれています。トリプトファンは、肉類や乳製品、大豆製品、バナナなど身近な食材に多く含まれていますので、普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。

 

 

うつ病と診断されたら?治療法や周囲の人が取るべき対応は?

 

うつ病の治療は、まず休養をとること、加えて薬物療法や精神療法などにより行われます。これまで忙しく働いていた人は休養をとること自体に罪悪感を持ちがちですが、休養はうつ病から回復する非常に大切なプロセスです。「なにかしなければ」と焦らず、しっかりと脳と心を休ませましょう。

 

薬物治療や精神療法は、医師やカウンセラーなどとの対話を通し、必要だと判断されたものが選択されます。精神療法には認知療法や対人関係療法などがあり、医師やカウンセラーから指導を得ながら問題を解決する方法を探していくことになります。

 

薬物療法で主に用いられるのは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)などの抗うつ薬です。

 

加えて、症状に合わせて睡眠導入薬や気分安定薬、抗不安薬などが用いられることもあります。薬物治療を受ける上で大切なことは、医師から指示された用法用量を守って服用し、絶対に自己判断で服薬を中止しないことです。自己判断で服薬を中止したり、服薬量を増減させたりすると、副作用が強く現れるリスクが高まります。

 

また、周囲の人の協力がうつ病の改善に繋がることも少なくありません。ただ、患者さんを過剰に励ましたり援助したりすると、それが負担になって症状が悪化することもあります。できるだけこれまでと変わらない態度で接するよう心がけ、患者さんが話を聞いてもらいたがっていれば耳を傾けましょう。このとき、患者さんの話を遮らず、最後まで話を聞いてあげることが大切です。

 

うつ病による仕事の休業と復職時のポイント

 

うつ病により仕事に支障を来し、医療機関からうつ病による休業の支持を受けたら、まず上司に相談して病気休業診断書を提出しましょう。うつ病の治療は長期間に渡ることが多いですが、適切な治療を受ければ社会復帰することができます。まずはしっかり休んで、うつ病を治すことを第一に考えましょう。

 

うつ病の症状が改善し、主治医からも復帰できるとの判断を受けたら、まず生活リズムを整えることから始めます。休職前と同様の時間に起きて、散歩や読書などをしながら日中の活動時間を伸ばしていきましょう。

 

自分だけで復職準備を進めるのが難しい場合は、主治医に相談して復職支援を受けることもできます。復職に自信がついたら、再度主治医の診察を受け、問題がなければ復職診断書を作成してもらいましょう。これを職場に提出し、復職後の働き方について打ち合わせを行うことになります。

 

もし、うつ病の原因が元の職場にあるようであれば、このときに部署の異動を相談してみましょう。元の職場ではうつ病再発リスクが高いと判断される場合、働きやすい職場に転職することも1つの方法です。うつ病は再発リスクの高い病気ですので、休職前と同じように働いてしまっては再び休職せざるを得ない状態に陥ってしまう可能性があります。

 

うつ病は、いつ誰にでも起こりうる病気です。自分の状態を定期的に見つめ直し、体力的・精神的に無理をしすぎないことが、うつ病の改善・再発予防に繋がります。周囲の人の負担を減らすために頑張りすぎてしまうこともありますが、周囲の人と同じくらい自分のことも大切にするよう心がけていきましょう。

 

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