新型うつ病は従来のうつ病とどう違うの?新型うつ病の診断基準と治療方法とは

うつ病を知る

日本人は生活環境だけではなく、インターネットや社会生活においても精神的に多くのリスクにさらされています。その結果、うつ病は決して珍しくない病気のうちの1つになりました。

精神疾患のなかでも広まりつつあるのが新型うつ病ですが、具体的な症状や診断基準などは明確に知らない人が多いでしょう。

この記事では、新型うつ病の症状や診断基準、治療方法などについてわかりやすく紹介します。

1.非定型うつ病とも呼ばれる新型うつ病について知ろう

新型うつ病は、一見すると「やる気がないようにみえる」状態になることが多い精神疾患です。そのため、本人が病状に苦しんでいたとしても、周囲から理解を得られづらいのが新型うつ病だといえるでしょう。

一般的な定型うつ病では気分が落ち込み、仕事や家事にも手がつきづらい状態になります。さらに、食欲が減退し、睡眠障害が現れる人も多いことが特徴です。趣味や生きがいなどに対しても興味が湧きづらくなり、感情の起伏が乏しくなります。それに対し、新型うつ病は自身が興味が湧くものはそれまで通りに楽しめますが、定型うつ病と同様に抑うつ状態が強くなります。過食になる人が多く、過眠傾向となるところが定型うつ病と異なるポイントだといえるでしょう。

新型うつ病のこれらの症状は、過食性障害やパーソナリティ障害とも似通った点があります。精神疾患について理解が乏しい人からみれば、仮病ではないかと勘違いされるケースも少なくありません。

2.新型うつ病はどんな症状が現れる?

新型うつ病で代表的な症状は、気分の浮き沈みが激しく他者を責めやすいことなどが挙げられます。これは、他者からの言動や評価に対して敏感になるためだと考えられます。

また、定型うつ病は朝に抑うつ状態が顕著になりますが、新型うつ病の場合には夕方頃に気分が落ち込みやすくなることが特徴です。新型うつ病の人は学校や会社などに行っている間には抑うつが強くなりますが、学校や仕事が終われば症状が軽快するケースもあります。

さらに、倦怠感が強くなることも新型うつ病の特徴であるため、苦手な人の顔を思い浮かべるだけでも身体に力が入らない状態になることもあるでしょう。

従来のうつ病は20代以降に多くみられましたが、新型うつ病は子どもから若年層にも比較的多くみられる傾向があります。

3.新型うつ病はどんな人が発症しやすい?

新型うつ病は、幼少期に「良い子」を演じていた人が多く発症する精神疾患です。親の言いつけを守り自我を抑えて育ってきた人は、知らず知らずのうちに強いストレスにさらされています。人に対して優しく自己表現が苦手な人も、新型うつ病を発症しやすいことが特徴です。

自己表現が苦手で自信が持てない人は他者からの評価を気にしやすく、常に不安感に苛まれやすいといえるでしょう。

また、新型うつ病を発症する人は、親のどちらかがうつ病患者であった確率が高いといわれています。さらに、自身の生活習慣の乱れが新型うつ病の発症を誘発するケースもあります。

4.新型うつ病の治療のポイント

新型うつ病の治療は、定型うつ病と同様に抗うつ薬による薬物療法を行うことからスタートします。

不安感が強い場合には、抗うつ薬と併用して抗不安薬が処方されることもあります。薬物療法は服用をスタートしてから症状が改善するまでに、長い期間を要することが特徴です。そのため、副作用が辛いときや症状が苦痛となっている場合には、主治医にその都度相談するようにしましょう。

また、新型うつ病の症状に応じて、磁気刺激療法(TMS)と呼ばれる治療が行われるケースもあります。磁気刺激療法とは、脳に磁気の刺激を加え病状を改善するための治療法です。従来の電気ショックと比較して、身体へのダメージを抑えられることがメリットだとされています。

さらに、主治医から指導されるのは、生活環境の改善です。慢性的に運動不足の場合には、運動を生活に取り入れるよう指導されることもあるでしょう。適度な運動は「しあわせホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促進し、食習慣や睡眠習慣の改善にもつながります。

また、コーヒーや煙草などの嗜好品は、新型うつ病を悪化させる原因ともいわれています。コーヒーや煙草によって抗うつ薬が効きづらくなることもあるため、治療期間中は控えるようにしましょう。

5.新型うつ病を疑ったら専門家に相談しよう

新型うつ病の症状が多くあてはまるときには、専門家に相談することが大切です。

新型うつ病の症状を放置しておけば、症状が重症化し境界性パーソナリティ―障害を発症することもあります。趣味を楽しめていたとしても、会社へ行くときに苦痛を伴うときなどは医師の判断を仰ぐことが重要です。専門家の視点からみてもらい治療が始まることで、安心感を得られるケースもあるでしょう。専門家に相談することによって、新型うつ病を引き起こしている原因を探ることもできます。それによって、生活環境や仕事などを見直すきっかけにも繋がるでしょう。

新型うつ病は早期発見に努めよう!

多くのうつ病患者は、自身がうつ病であると考えることができず精神科の受診を遅らせてしまいがちです。

しかし、新型うつ病は早期に病状を発見して適切な治療をすることで、回復も早くなる傾向があります。仕事や家庭内での役割が忙しかったとしても、自身の症状を客観的に把握することが大切です。

私生活や仕事にも病状が影響してしまっている場合には、早めに専門家に診てもらうようにしましょう。

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