うつと旅行|うつ病治療に旅行はおすすめできない?その2つの理由

うつ病を知る

うつ病を治療している人の中には、気分転換に旅行してみようと考える人もいるでしょう。旅行などで環境を変えることは、確かに一時の気分転換には向いています。しかし、うつ病の治療に旅行はおすすめすることができません。うつ病の治療中に旅行へ行くと、デメリットを感じるケースが多いためです。

 

この記事では、うつ病の治療に旅行はおすすめできない理由を紹介します。

 

理由その①エネルギーを消費してしまう

 

うつ病とは、疲労によって脳のエネルギーが枯渇している状態を指します。脳のエネルギーが枯渇している状態では、身体的にも精神的にも疲労感を感じやすくなります。旅行では、公共交通機関を使っての移動や予定などでスケジュールが詰まってしまうケースもあるでしょう。ゆとりがある旅行のスケジュールを立てた場合でも、うつ病では元気な人よりも多くのエネルギーが必要となります。そのため、うつ病の状態で旅行へ行くと、脳の枯渇しているエネルギーをさらに枯渇させてしまうこともあります。

 

元気な状態で旅行へ行けば楽しめるエネルギーはありますが、うつ病の状態では難しいと考えた方が良いでしょう。うつ病の急性期では、希死念慮が強いケースもあります。旅行による環境の変化が、精神的に大きな負担を与えるケースがあることを覚えておく必要があります。うつ病の治療に必要なことは、旅行などで環境を変えることではなく十分な休養をとることです。身体も心も十分に休める環境を整えることが、治療の第一歩だといえます。家庭内における本人の負担を最小限にし、ゆっくりと休養がとれるよう家族も配慮するようにしましょう。

 

理由その②旅のストレスが逆効果となる

 

旅行で自家用車などを使用しない場合には、公共機関を利用することになります。新幹線や飛行機などの公共機関を利用する際には、時間を守る必要があります。うつ病に睡眠障害を合併している際には、電車のなかで起きられなかったり公共機関の時間に間に合わなかったりすることもあるでしょう。旅行中にそのようなことが重なると、旅のストレスがうつ病を悪化させるケースもあります。また、旅行による環境の変化や緊張感などで、旅行中に眠れない場合もあります。旅行中に十分な睡眠がとれないと、翌日の旅行を楽しむことが難しくなり疲労感も蓄積されていくでしょう。

 

リフレッシュするために旅行へ出たいと考えるうつ病の人もいます。しかし、旅先ではイレギュラーなことも起こりやすいものです。1人で旅行へ行く際には、突発的に起きた状況は自身で対応する必要もあります。ストレスを感じうつ病が悪化した際には、旅先で病院を受診したり入院したりする場合もあるでしょう。また、休職中の場合には、職場の人に対して罪悪感を覚えるケースもあります。旅先では写真を撮影してSNSに投稿する人もいますが、そうした写真を職場の人に見られてしまう場合もあるでしょう。その場合には、職場復帰した際に気まずくなることもあるため、注意が必要です。

 

旅行が治療となる場合とは

 

精神病を治療する人にとって、旅行をすべきではないとはいいきれません。どのような精神科の症状においても、急性期の場合は旅行に行くのを控えた方が良いでしょう。それは、症状が急激に悪化したりすぐに受診を要するケースがあったりするためです。急性期の治療を終え慢性期から寛解に向かっている患者にとっては、旅行に出ることが治療となるケースもあります。その理由として、慢性期から寛解に向かっている患者は希死念慮などが消失している傾向であるためです。うつ病や適応障害などの精神的な病を抱えている場合には、旅行の決定は自身で判断せず病状をみてもらったうえで医師から判断してもらうようにしましょう。

 

旅行へ行く際は長期的なスケジュールや過密スケジュールにはせず、短期間でゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。1人旅ではなく、信頼のおける家族や友人などに同行してもらうことも大切です。旅行も治療であると捉え、旅行の同行者に病状を伝えたうえで配慮してもらうよう心がけましょう。治療として旅行へ行く場合には、人が多い都心部ではなくゆったりと時間を過ごせる自然が多い場所を選ぶようにしましょう。自然に囲まれた環境で時間を気にせず過ごすことによって、心にゆとりが生まれ治療につながるケースもあります。

 

また、うつ病は再発しやすい病気であることも特徴です。うつ病にかかった人で2年以内に再発するのは、全体の60%であるといわれています。そのため、再発の兆候があった場合には旅行の予定をキャンセルして病院を受診した方が良いでしょう。無理がない精神状態のときに旅行へいくことが、治療につながりやすくなります。

 

急いで治そうと思わずに……

 

うつ病は、旅行へ行ったとしても急いで治せるものではありません。うつ病の人にとっては適切な治療を行い十分な休養をとることが、最も必要であるといえます。うつ病にかかった際のストレスが大きく、枯渇したエネルギーが大きいほど治療が長期間に及ぶケースもあります。うつ病を治療する際には、焦らずに向き合うことが大切です。

 

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