うつ病に出る症状の一つ過呼吸発作への対処法

うつ病を知る

うつ病を発症するとさまざまな症状に悩まされます。その一つに過呼吸発作というものがあります。過呼吸発作は精神的に不安定な状況になると発生しやすいといわれていて、発作が起きると本人は非常に強い息苦しさに襲われ、パニックに陥ることもあります。過呼吸発作を一度経験すると、その苦しさから再発に対する不安な気持ちが高くなり、予期不安(起こりうる可能性への恐怖)などの新たなストレスを生む原因にもなります。今回は、そんな不安を少しでも軽減できるように、過呼吸発作が起こったときの対処法についてご紹介していきます。

過呼吸発作の原因と症状

脳の三大神経伝達物質の一つであるセロトニンは、心の安定を図る役割を担っています。うつ病などでこのセロトニンが不足すると感情のコントロールがうまくできなくなり、急に落ち込んだり些細なことで怒りがこみあげてきたり、大きな不安に襲われたりといった症状が現われます。

そんな不安定さから「過呼吸発作(過換気症候群)」という発作を引き起こすことがあります。過呼吸発作は、緊張や不安、恐怖といった強い精神的ストレスがきっかけとなり、呼吸が浅く速くなってしまう症状のことです。

その結果、血液中の二酸化炭素濃度が薄れ血液がアルカリ性に傾くことから、めまいを感じたり、動悸がしたり、息苦しく感じるといった状態になります。そのほかにも手足のしびれや、ひどい場合にはけいれんを起こすこともあります。本人は呼吸ができないと感じることが多く、死んでしまうのではないかとパニックに陥ることがありますが、実際には酸素は体内に十分あるので酸素不足ということはなく、過呼吸発作で死に至ったり、重篤な状況になることはないといわれています。身体的にも特に異常は認められず、時間の経過とともに症状がおさまっていくのが一般的です。

慌てることなく対処することが大切

過呼吸発作の症状はだいたい30分前後で自然に治まってくることが多く、1時間以上も続くことはまれだといわれています。また、過呼吸発作によって後遺症を残すこともないとされているので、予後が良好な病気といってもよいでしょう。

本人や周囲の人はこのような事実をきちんと理解して、過呼吸発作が起こったときは、まずは冷静になって慌てず対処する必要があります。本人はこの上ない息苦しさを感じ、周囲の人もその呼吸の激しさに驚いてしまうことが多いため、重篤な状態であると判断してしまいがちですが、先述したとおり過呼吸発作だけで死に至ることはありません。

本人がパニックに陥ったときには、周囲が冷静に声掛けをするなど落ち着いて対処することが大切です。

過呼吸発作になったときの対処法

過呼吸発作は時間が経てば自然におさまるものですが、本人にとっては症状が治まるまでのその時間が、とてつもなく長く感じるものです。

死に至ることはないと理解していても、息苦しさから早く解放されたいと願う気持ちは誰でも持つものでしょう。まずはその気持ちを落ち着かせ、「浅くゆっくり」という呼吸を意識してみましょう。

過呼吸の原因は速い呼吸によって起きる二酸化炭素不足です。少なくなった二酸化炭素を増やしてあげると、症状もより早くおさまることになります。そのためにゆっくりとした呼吸を心がけることが重要になるのです。

余裕があるようであれば、軽く息を吸ったあとに、息を数秒止めてみると良いでしょう。呼吸回数が少なくなるので二酸化炭素の上昇が期待できます。
以前はペーパーバッグ法といい、袋を口にあてて呼吸を行うことが過呼吸発作に有効であると推奨されていました。吐き出した自分の息を吸い込むことで、より早く二酸化炭素濃度を上げることができるという理屈からです。

しかし、酸素や二酸化炭素の濃度を測らずにペーパーバッグ法を行うと、二酸化炭素の濃度を上げすぎてしまったり、過度の酸素濃度の低下させたりすることがあるため、行われなくなってきました。これにより、ゆっくりとした浅い呼吸を続けて発作がおさまるのを待つのが一番賢明な対処法だとされています。

なかなか過呼吸の発作がおさまらなかったり、発作時にどうしてもパニックを起こしたりする、あるいは発作に対する恐怖心が強いという人は、医師に相談してみるのも良いかもしれません。そこで強い不安に対するお薬を処方してもらうのも一つの対処法です。(※1)

まとめ

うつ病になると精神的に不安定になることが多く、人によっては過呼吸発作を引き起こしやすくなるかもしれません。また、過呼吸発作(過換気症候群)が生じる原因もほとんどが精神的なストレスといわれています。だからといって必ずしもそれ以外の可能性がないわけではありません。ごくまれに心筋梗塞や肺気胸などの重篤な疾患によって、二次的に過呼吸発作が起きている場合もあるので、初めて過呼吸発作になったときは医師に相談することをおすすめします。
過呼吸発作が起きるきっかけは個々で異なり、いつ起きるのかを正確に予測することも難しいといえるでしょう。しかし発作に至るプロセスを把握し正しい対処法を知っていれば、いざというときに余計なパニックを招く可能性が低くなります。過呼吸発作が起きた時は浅くゆっくり呼吸することを試み、なにより時間が経てば消えていく症状だといい聞かせ、落ち着かせてあげることが大切です。(※1)

※1. 【せせらぎメンタルクリニック】過呼吸・過換気症候群が生じたときの3つの対処法とあやまった対処法
http://seseragi-mentalclinic.com/hyperventilation-treat/”

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめ記事