編み物でうつ病を改善! 多くの人が実感した効果

うつ病の治療

うつ病の治療は、抗うつ剤を用いた投薬治療、認知行動療法などの心理療法を中心に進められていきます。
これらの治療に加え、生活のなかに自分に合った習慣を取り入れることにより、うつ病の治療をさらにスムーズに進められることがあります。
その習慣の一つが編み物です。
多くのうつ病患者が、編み物をすることで「楽しい」と感じたという実験結果があります。
ここでは、編み物がもたらすうつ病へのさまざまな効果についてご紹介します。

編み物をすると「楽しい」と感じられ、ドーパミンが増す

編み物が心へ良い影響をもたらすというのは、以前より心理学者から提唱されてきました。それを証明する実験が、イギリスで行われています。

イギリスのメディアによると、実験では、3,500人のうつ病患者に編み物をしてもらいました。そのうち約81%の被験者が、「楽しい気持ちを感じた」と回答しました。さらに、全被験者の50%以上は「とても楽しい」と回答しています。

多くのうつ病患者が「楽しい」と答えたのは、編み物に集中できたからだと考えられています。編み物は高い集中力を必要とし、作業中はほかのことに考えが回らなくなります。そのため、編み物をしている間は嫌なことを考えている余裕がなく、うつ病による抑うつ症状が表れにくくなります。

上記のような効果が出るのは、神経伝達物質の「ドーパミン」が関係していると考えられています。嫌な気分を忘れ、楽しいと感じられると、ドーパミンが分泌されて脳を快楽の状態にします。また、ドーパミンは意欲を生み出す伝達物質でもあります。ドーパミンには記憶作用があり、再び快楽を感じるために、一度楽しいと感じたことを繰り返そうとします。これが意欲へとつながるのです。

うつ病患者の脳は、このドーパミンの分泌量が少ない状態にあります。そのためうつ病患者は普段「楽しい」と感じることが少なく、何かをしようという意欲が不足している状態だといわれています。
ドーパミンの量を増やすためには、嫌なことを忘れて集中し、「楽しい」という気持ちを感じることが大切です。その点編み物は、上記の実験のとおり、ドーパミンを増やすのに効果的だといえます。

さらにドーパミンは、ストレスを受けることで分泌される伝達物質「コルチゾール」を抑制するという効果があります。コルチゾールの分泌量が適量を超えると、早期覚醒の原因となります。うつ病患者の多くに早期覚醒の症状がみられるのはコルチゾールの影響だとされており、ドーパミンが分泌されることにより睡眠の質が改善されると考えられています。よく眠れるようになると生活リズムが整い、疲れが取れてうつ病の症状が改善されていきます。

褒めてもらうことでさらにうつ病改善

うつ病改善のための編み物は、家族など周りの人たちと一緒に行うとより効果的です。
うつ病患者の多くは自分に自信がなく、励ましの言葉をかけられても「自分は駄目な人間だ」などと考えてしまう傾向にあります。これを改善するためには、「自己効力感」を高めることが効果的です。自己効力感は、「このやり方であれば、自分はそれなりにできるのでは」といった自信や期待のことを指します。編み物をして、何かを完成させることで、この自己効力感を高めることができます。

さらに、その成果を誰かに褒めてもらうことによって、より大きな自信をつけることができます。上述したドーパミンは、楽しいと感じる以外に、褒められることによっても分泌されます。そのため成果を褒めてもらうとまたその快楽を得ようとし、さらに意欲が増すのです。

まとめ

このように、編み物にはうつ病を改善させるためのさまざまな効果があります。身近にうつ病の患者がいるなら、周りの人から誘って編み物を始めてみましょう。また、うつ病治療中の患者を対象に編み物のイベントを開催し、メンタルケアに役立てようという取り組みもあります。近くで開催されているようであれば、こういったイベントにも参加してみてはいかがでしょうか。

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