漢方薬「抑肝散」でうつ病の症状を改善

うつ病の治療

うつ病ではイライラや不眠、筋肉の強張りなどさまざまな症状がみられます。これらの症状にアプローチする治療法もさまざまであり、そのなかの一つに漢方薬を使う方法があります。

漢方薬というと「主に体の不調の改善に使われるもの」というイメージが強いものですが、身体症状だけでなく精神症状に効果的な漢方薬もあります。

今回はそのなかから、イライラや神経の高ぶりに効果的な漢方薬「抑肝散(よくかんさん)」について紹介していきます。

イライラや不眠症筋肉の強張りなど幅広いうつ病の症状効果的 

抑肝散が持つ鎮静効果がうつ病の症状改善 

漢方薬と一口に言っても、その効果や働きは種類によって違います。抑肝散(よくかんさん)の働きには、主に小児の夜泣きを抑えたり、歯ぎしりを止めさせたり、ひきつけを解消したりといったものが挙げられます。

こうした働きから、抑肝散は昔から小児に対してよく用いられています。また、小児だけでなく大人の精神症状や身体症状に用いられてきた薬でもあります。

抑肝散は、興奮しやすく怒りっぽい、神経過敏、情緒不安定な人に対して用いる漢方薬です。うつ病にもこのような精神症状はみられます。そのため、抑肝散にはうつ病の改善効果があると考えられています。

抑肝散には神経の高ぶりを抑えてイライラを鎮めたり、不眠症を改善したりする働きがあります。また、手足の震えを止めたり、筋肉の強張りをほぐしたりして体を休ませる働きもあります。

さらに抑肝散には血行を促進させる働きもあるので、貧血や血行不良からくる頭痛などの症状にも効果的です。このように、抑肝散はうつ病のさまざまな症状に効果があります。

不眠症の他、セロトニンの分泌量改善

抑肝散が持つ効果のなかでも、特に不眠症の改善効果は注目されており、多くの研究結果が発表されています。そのなかの一つに、抑肝散の効果を「CAP法」で評価した研究結果があります。

CAP法とは、眠っているときの覚醒反応の脳波を解析する調査法です。その調査データを元にして、熟眠感を判断するための基準とします。

実験は、不眠症の患者を対象に行われました。実験内容は、抑肝散を服用する前後の睡眠の違いを測定するというものです。

結果、抑肝散の服用後は、睡眠の不安定さをあらわす「CAP値」が低下していることがわかりました。それに伴って緊張感、疲労感といった症状が改善したという報告もされています。

このように、抑肝散の鎮静作用には不眠症の改善効果が期待できます。その理由として考えられるのが、抑肝散と神経伝達物質「セロトニン」の関係です。

セロトニンとは、神経の高ぶりを抑えて精神を安定させる神経伝達物質です。このセロトニンが不足することで、うつ病が発症すると考えられています。

抑肝散は、セロトニンと密接な関係にある中枢神経に直接働きかけて、セロトニンの分泌量を増やしたり、分泌量をコントロールしたりする働きがあります。そのため抑肝散はうつ病を改善する効果が期待できるのです。

抑肝散の飲み方と時間も意識する

漢方薬には、それぞれ飲み方や飲むタイミングがあります。抑肝散の場合は食事と食事の間に飲むのが効果的です。胃に何も入っていない状態のときは、薬が胃に吸収されやすくなるので、薬の効果がしっかりと実感できます。

また、抑肝散には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、薬の有効成分を抽出して煎じ、飲み薬タイプにした「煎じ薬」です。もう1つは、薬の有効成分を乾燥させ、加工した「エキスタイプ」です。

煎じ薬であれば、人肌に冷ましたものを飲むのが一般的です。エキスタイプであれば、水かお湯に溶かして飲むようにしましょう。

まとめ

漢方薬の種類は多種多様です。今回紹介した抑肝散は、そのなかでも特にうつ病の症状に効果的な漢方薬です。その際は、医師に必ず相談し、ルールを守って服用することが大事です。

 

 

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