うつ病の症状が軽快してきても焦りは禁物!

うつ病の治療

うつ病とは再発の多い病気の1つです。「症状が改善されたので、薬をやめて元通りの生活をすればよい」という考え方はよくありません。症状が軽快してきたときこそ、今後について考える必要があるのです。自己判断による、薬の中止や活動量の増加は症状の悪化や再発を招きます。今回は、うつ病の症状が改善されてきたときの考え方について紹介しています。

症状が軽快してきても自己判断で薬を調節しない

うつ病とは、風邪のように、症状がよくなれば、元通りの生活をしてもよい疾患とは違います。基本的にうつ病の治療には時間がかかるものです。症状が改善して、気分がよくなってきても、その状態を維持していくためには、しばらくの間、薬を続ける必要があります。休止していた活動量も少しずつあげていくことが大切です。

ところが、症状がよくなっているので、薬を減量、または勝手に中止してしまう人が少なくありません。症状がよくなっているのは、薬の作用によるものであって、突然中止をすると、症状が悪化してしまう可能性があります。実際に、薬を続けなかった人ほど再発の確率も上がるといわれています。症状によって、薬の調整を自己判断するのは絶対に避けるようにしましょう。

治療の経過と再発の危険性について理解する

うつ病の再発の危険性について理解するには、うつ病の経過についても大まかに理解をしておくことが大切です。

まず、辛い症状とともにうつ病が「発症」します。休息や薬物療法といった適切な「治療」が開始されると、徐々に症状は軽快していきます。うつ病の程度や種類、人によって症状が軽快してくるまでの期間は異なりますが、だいたい3カ月から半年程度といわれています。

そして、ほぼ症状が改善された状態を「寛解」とよびます。この時期は薬の量や心身にかける負荷によってはうつ病をぶり返すことがあり、ぶり返したら「再燃」とよばれます。再燃は決して珍しいことではありません。薬の力を借りて、症状を抑えている状態ですから、薬を勝手にやめると、うつ病の症状が再度あらわれてしまう可能性が高いのです。

一定期間の寛解が過ぎると「回復」とされます。寛解に入ると少しずつ休止していた活動を再開し始めます。簡単な家事を始めたり、午前中だけ仕事に復帰したりということです。そのように活動範囲を少しずつ広げて、心身に負荷をかけていきます。それでも症状に変化が認められなければ、薬の減量を始め、少しずつ中止に向けて準備を行います。

うつ病の治療は、症状が軽快しても、引き続き回復に向けて内服を続けていくのが一般的です。そして、薬の力を借りなくても症状が悪化しないことが確認されて、治療の終了に至ります。治療が終了したのちに、うつ病を再び発症してしまうと、「再発」になります。

うつ病は再燃および再発の多い病気です。症状が軽快したからといって、自分の判断で薬の調整をするのは再燃の可能性を高めることになることを理解しておきましょう。

治療中に注意をすること

うつ病の基本的な治療方法は休息と抗うつ剤の内服になります。薬の力を借りながら、心を休めるのです。そして、症状が軽快してきたら、薬は続けながら、心身への負荷を上げていくことになります。休んでいた活動を少しずつ再開していくのです。

したがって、治療中に症状が悪化するようなことがあると、まず考えられることが、「薬の飲み忘れがないか」と「無理に活動量をあげていないか」の2つです。

症状の悪化については、少しのサインも見逃さないでいることが大切です。必ずしも、精神的な症状があらわれるとも限りません。「朝早くに目が覚めるようになった」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「なかなか寝付けない」といった睡眠に関する症状には特に注意をしてください。

治療中は薬の力を借りて、症状を抑えているので、負荷がかかりすぎると、当然、心は悲鳴を上げてしまいます。焦らず、少しずつ活動量を上げたり、薬を減らしたりするので、気長に治療をするつもりで構えていましょう。

治療は医師との連携が大切

うつ病の薬は原則として突然中止することはありません。どれだけ症状が安定していても、薬は少しずつ減らしていくのが基本です。少しずつ薬を減量する理由は主に2つあります。1つ目は、症状に変化がないかをみながら慎重に治療を進めるためです。2つ目は、突然薬を中止することであらわれる頭痛やめまい、不安を予防するためです。

薬の減量は慎重に行う必要がありますが、薬の減量時に何らかの症状があらわれたからといって、うつ病が再燃したと心配しすぎる必要もありません。自己判断をすることだけは避けましょう。薬の減量中に気になる症状があらわれたら、主治医と相談をすることが大切です。症状は再燃でなく、薬の減量によるものかもしれません。減量の程度を緩めることで解決することも十分に考えられます。主治医としっかり連携をしていくことが重要になります。

うつ病の治療は気長に!不安なことは医師に相談する

うつ病の治療には時間がかかるものです。薬の減量を急いだり、生活活動を一気に上げたりすることを焦らないことが大切です。不安な症状があらわれたり、治療に疑問を感じたりしたら、医師と相談をすることを忘れないでいましょう。

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