うつ病で休養するときに気をつけたいこと

うつ病の治療

うつ病の治療の中心となる柱は休養と薬物治療です。そのうち、休養「休みを取ること」に対して、日本人はあまりよくないイメージをもっている人が多く、きちんとした休養ができていない人が少なくありません。今回は、うつ病の治療において重要とされる休養について、注意しておきたいこと、どのように過ごしたらよいのかなどを説明しています。

うつ病治療にどうして休養は重要なのか?

うつ病の治療で最も大切なことは、「休養を取ること」と「指示通りに薬を飲むこと」です。うつ病とはがんばり過ぎた結果、心が悲鳴を上げてしまった状態なので、まずはしっかりと心を休めることが大切なのです。

「休みを取る」ということに、日本人は悪いイメージを抱きがちです。頑張ることは良いこととされ、それに対してのさまざまなセミナーが開催されたり、本が出版されたりしています。しかし、仕事で疲れたからと、休暇を取ることには躊躇したり、休日にも自宅で仕事をしたりして、疲れやストレスを十分に解消できていない人が少なくありません。

人は休むことで心身の疲れをとり、頑張れるようになるものです。その疲れが解消されずに少しずつ溜まっているにもかかわらず休養を取らずに走り続けると、体だけでなく心のエネルギーが消耗してしまいます。うつ病とは心のエネルギーが消耗した状態ですから、心を休めて、エネルギーを補う必要があるのです。

うつ病を発症して、医師に休養を取るように指示された場合はもちろんですが、普段から休養をとり、心に余裕を与えることはうつ病を予防するためにも大切なことです。

うつ病で休養が必要といわれたときの注意点

休みを取ることにマイナスイメージをもっていると、うつ病を発症して休養を取るように医師にいわれても、きちんとした休養がとれていないことがあります。休養といっても、ただ休職や休学すればよいというわけではありません。どのようなことに考慮する必要があるのでしょうか。

まず、家族に理解があるかが大事なポイントです。休んでいることを好ましく思わない家族が側にいては、体は休めても、心は休まるはずがありません。自営業を営んでいて人の出入りが多い場合や小さい子供がいる家庭でも、心を休めることは難しいかもしれません。

もし、自宅で休んでも心が休まらないという場合には入院を考えるのも方法です。思い切って、自宅から離れてしまうことで、体と心の両方を休めることがでるのであれば、入院を考えてみましょう。

また、一人暮らしをしている人も注意が必要です。うつ病になると、食欲が低下したり、睡眠のリズムが崩れてしまったりしがちです。休養といっても、生活のリズムを保つことは重要なことでもあるので、その点に配慮をしてくれる家族の存在は欠かせません。一人暮らしでうつ病を発症した場合は、実家に帰るなり、入院するなりの対策をとることをおすすめします。

とにかく心を疲れさせないことが大事

休養することに慣れていないと、ついつい何かをしなくては…と考えてしまいがちです。しかし、うつ病を患っているときは判断力も低下するのが一般的ですから、休養中に重大な決断をするのは避けた方が無難です。また、新しいことを始めるのも多くのエネルギーを要するので、休養になりません。

うつ病の休養とは「心を休める」という意味です。体を休めるのは、ただ安静にすればよいので、わかりやすいですが、心を休める方法というのは人によって違います。音楽を聴くことであったり、お風呂に入ることであったり、映画を観ることかもしれません。体を動かすことが好きな人にとっては、必ずしも横にならなければならないわけでもありません。とにかく、心が満たされる方法を考える必要があります。

また、心を休めるために、何を考えるかも大切です。自分を責めるようなことや仕事の復帰を焦るようなことを考えるのもよくありません。主治医が必要と判断しての休養をしていることを忘れないでください。骨折をして仕事に来られなくなると、ギブスが目に見えるので、誰にとってもわかりやすいものです。うつ病も同様で、心に負った傷を癒すために必要な休職だと専門家が判断をしているのです。心の傷を治すためには、自分を責めたりするような考えをしないで、ゆっくり心を休めることに専念しましょう。

休養中に生活リズムを壊さないことも重要

うつ病の人は精神的症状だけでなく、身体的症状が出ることも少なくありません。特に、睡眠に何らかの支障がでたり、食欲の低下がしたりすることが多いといわれています。したがって、何も考えずに休養をしてしまうと、生活のリズムが壊れてしまい、昼夜逆転することがあります。夜勤をするとうつ病の発症リスクが高まるという報告もあるので、昼夜逆転はうつ病の治療を長引かせる恐れがあります。休養中であっても規則的な生活習慣を続けることはうつ病の回復にも大切なことです。

うつ病になると、朝起きるのが辛くなったり、夜に眠れなくなったりすることがありますが、生活のリズムが壊れそうなときには、主治医に相談をしてください。規則正しい生活ができていないと、復職するときにも適応することが難しくなります。「夜寝て、朝起きる」といった単純な生活のリズムは必ず守るように心がけましょう。

では、具体的にどのような生活を送ればよいかを簡単に紹介します。

まず、朝はできるだけ朝日を浴びるようにします。朝日を浴びることで体内時計をリセットするといわれています。太陽にあたることは、睡眠に深く関係するメラトニンという物質を生成するのに必要なセロトニンの分泌にも役立ちます。

また、食欲が落ちても、朝・昼・晩と少しでも構いませんから、食事をするようにします。自炊が辛くないようであれば、自分で簡単なものを作ってもよいでしょう。

そして、休養といっても、できるだけ昼寝をしないように心掛けなければいけません。たくさん昼寝をしてしまうと、夜に眠くならなくて当然です。散歩やサイクリングといった軽い運動を取り入れると、体が適度に疲れて、睡眠の質も向上します。心に少し余裕が出てきたら散歩から始めてみるのをおすすめします。

うつ病の治療で休養しなければならないときは心を休める方法を探ろう

うつ病の治療で大切とされる「休養」では、特に心を休めることに気を配る必要があります。自宅で休んでも心から休めない場合には入院を考慮します。心を休める方法といっても、人によって違いますから、どうすれば自分の心が満たされるのかを考えてみてください。仕事のことを気にしすぎたり、自分を責めたりすることは、心が休まるどころか、心を疲れさせてしまうので控えなければいけません。ただし、規則正しい生活を続けることは大切です。朝は辛くても、できるだけ起きるようにして、3度の食事も少しでも食べるように心がけましょう。

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