うつ病がなかなか治らない!難治性うつ病とは?

うつ病の治療

うつ病といっても種類によって対応や治療が微妙に異なることがわかっていて、さらなる研究が期待されています。そのなかには、治療をしてもなかなか良くならずに長引いてしまうケースも少なくありません。難治性うつ病や治療抵抗性うつ病とよばれています。今回は、期待通りに進まない難治性うつ病の原因や治療の進め方について紹介します。

治療が長引いてしまう難治性うつ病とは?

うつ病とはもともと治療にある程度の時間がかかる病気の1つです。治療は「心身を休めること」と「薬を服用すること」の2つが中心になります。服用しなければいけない抗うつ剤とは即効性のある薬ではありません。即効性がないということは、内服してもすぐに症状が軽快するわけではないということです。少なくとも2~3週間は薬の効果が出るかどうかを待つのが一般的です。

薬が効き始めて症状が軽快してきた場合も、ある程度の期間は内服を続ける必要があります。つらい症状から脱出するまでには1カ月から3カ月は必要だと考えられています。

症状が回復してきても薬は続けなければいけません。勝手に薬をやめてしまうと症状が悪化する可能性があります。様子を見ながら少しずつ前の生活に戻して体に負荷をかけたり、内服薬を減らしたりしていきます。個人の状況によって異なりますが、半年程度の期間は必要になるでしょう。うつ病の原因は1つではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症するといわれているので、回復までにかかる時間にも大きな差がでるのが通常です。

そして、その状況によって薬の効き方も違ってきます。なかには、期待した通りにうつ病の薬が効かないケースもあるのです。うつ病患者全体の1割から3割程度の人がそれに当てはまるとされていて、決してまれではありません。抗うつ剤が効かないと、治療が長引いてしまいがちです。そのため、抗うつ剤が効かずに治療が長引くケースを難治性うつ病とよばれています。

抗うつ剤が効かない理由とは?

うつ病の原因は完全にはわかっていませんが、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アドレナリン、ドパミンの分泌に異常が起こることが関係していることは確かとされています。それらの神経伝達物質は感情に作用する物質でもあるために、やる気をなくしたり、不安になったりといったうつ病の症状があらわれるのです。

抗うつ剤とはその神経伝達物質に作用する薬で、特にセロトニンやノルアドレナリンに的を絞っています。通常、うつ病にはSSRIとよばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬かSNRIというセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を使用するのが一般的です。

難治性うつ病は、これらの薬を服用しても期待したような効果があらわれません。薬が効かないことが医師との信頼関係を崩す原因になることも考えられます。その結果、医療機関を転々として、治療が長引くことにもなりかねないのです。

薬の効かない理由についてはさまざまな要因が考えられています。うつ病も他の病気と同様に、発症したら治療をできるだけ早くに始めるのが理想です。治療開始までの期間が長いと、治療に要する期間も長引いてしまう恐れがあるからです。他にも、動脈硬化や甲状腺異常といった身体疾患の合併の有無、双極性障害や不安障害を併発していないか、アルコール依存や薬物依存なども薬の効果に影響します。病気の併発だけでなく、高齢であることやうつ病の発症に関与しているストレスの解消が難しいことなども、薬が効かずに難治化する可能性につながると考えられています。

難治性うつ病の治療法とは?

難治性うつ病とは抗うつ剤が効かないうつ病のことをいいます。正確には作用機序の異なる2種類の抗うつ剤を十分な量、十分な期間に使用しても効果があらわれない場合を指すことが一般的です。したがって、難治性うつ病と診断するにはまず、異なる作用機序の抗うつ剤がきちんとした量と期間に使用されたかを確認しなければなりません。

そして、難治性うつ病が疑われる場合には、冷静にうつ病が難治化している要因を明らかにして、的確な対応をしなければいけません。ときに、新たに認知行動療法を行うことも考えられます。

抗うつ剤が全く効果を示さない場合には、多剤に切り替える必要がありますが、ある程度の効果を認める場合には、薬を追加することが多いでしょう。併用療法として他の抗うつ剤を追加したり、増強療法として多抗うつ剤とは別の薬を追加したりすることになります。難治性うつ病に対する増強療法とは、神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンに作用する抗うつ剤に加えて、ドパミンに作用する薬を追加する治療法です。比較的に新しい治療法で、その効果が期待されています。

難治化している要因を探り医師と協力して治療をすすめよう

うつ病とは環境や性格などさまざまな要因が複雑に絡んで発症する病気です。病気の経過も個人の状況やうつ病の重症度などによって大きく異なる傾向にあります。状況によっては、うつ病の治療に欠かせない抗うつ剤が期待通りの効果を示さないケースもでてきます。作用機序の異なる抗うつ剤を2種類試しても効果があらわれない難治性うつ病の場合、難治化している要因を見つけて対応しなければいけません。身体的疾患が隠れていないか、他の精神疾患を併発していないか、うつ病の発症に関係している環境が改善されているかなど患者本人と医師とがしっかりとコミュニケーションをとることが大切です。そして、さらなる抗うつ剤を併用したり、ドパミンに作用する薬を加えて増強したりして治療を行います。うつ病の治療は順調にいっても、時間のかかるものですが、難治性うつ病になると、さらに時間が必要となるでしょう。

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