あなたは大丈夫?増える職場うつのセルフチェック法と予防法

うつ病の治療

 

職場が原因で発症するうつ病が、「職場うつ」と呼ばれるものです。職場うつになると、仕事中は気分が落ち込んでやる気も出ないのに、休日や終業後に元気に活動できるようになるため、周囲の人から理解されにくいという特徴があります。

 

ここでは、職場うつとはどのようなものなのか、ストレスチェックの方法や予防法などについて紹介します。職場うつの知識を身につけて、自分の体をしっかり守りましょう。

 

職場が原因のうつ病「職場うつ」とはどんなもの?

 

職場うつとは、新型うつ病とも呼ばれるうつ病のタイプで、職場では気分が落ち込みうつ状態になるものの、帰宅後や休日は元気に活動できる状態です。職場うつの発症する要因には、燃えつき型・陥没型・喪失型・逃亡型の4つのタイプがあると言われています。

 

燃えつき型は、優秀で自分の能力に自信があり、強い責任感を持つ几帳面な人に起こりやすい傾向があります。自分が納得できる水準で仕事を行おうとするために、疲労やストレスが蓄積してうつ病を発症してしまうのです。その一方で陥没型は、自分の手に余る仕事を押し付けられたり、理不尽な叱責を受けたりすることが続いて心に傷を負い、うつ病を発症してしまう状態です。

 

男性管理職のうつ病の発症要因になりやすいのが、逃亡型の職場うつです。昇格や降格、異動などの後、新しい役職に対応できず、さらに対応できない自分を認めたくなくて飲酒やギャンブル、暴力などに逃げ道を見つけようとした挙句に抑うつ状態に落ち込んでしまいます。また、組織変更により自分の部署がなくなったり、大きなプロジェクトが突然打ち切られたりした喪失感からうつ病を発症する喪失型も、うつ病の発症要因としてよく見られるものです。

 

職場うつになってしまったら?うつ病でも労災認定される場合がある

 

労災が認められるのは、業務上または通勤中の負傷や疾病、障害、死亡に対してです。そのため、うつ病を発症した原因が会社にあると証明できれば、うつ病でも労災申請できることになります。ただ、家庭環境や友人との人間関係など、会社以外の部分にうつ病発症の要因がある場合は労災認定されません。

 

そのため、仕事から強い心理的負荷を受ける前はうつ病ではなかったこと、うつ病を発症するほどの心理的負荷を仕事から受けたことを証明する必要があります。また、精神障害の労災認定要件の1つに、「精神障害発病のおおむね6カ月間に業務による強い心理的負荷が認められる」という1文があるため、その心理的負荷が6カ月以内に生じたものであると証明しなければなりません。

 

うつ病で労災認定する場合、医師の診断書を用意することに加え、自分の会社での勤務状況の記録が大切です。例えば、慢性的に仕事量や残業が多いことがうつ病発症の原因であれば業務記録が、パワハラやセクハラ、暴力などが要因の場合はボイスレコーダーなどによる証拠が有効となります。

 

うつ病での労災申請は、うつ病と仕事との因果関係を明確にする必要があります。労災認定の基準や証拠集めの方法に不安があるときは、一度弁護士に相談してみましょう。弁護士に相談することで、損害賠償の請求なども併せて行えるようになるケースもあります。

 

自分の状態を把握するために。ストレスセルフチェックを活用しよう

 

2015年12月から、事業者にはストレスチェック制度の実施が義務付けられています。このため、年に1度事業者が労働者の心理的負担を把握するために、産業医や保健医によりストレスチェックが行われるようになりました。ストレスセルフチェックは、厚生労働省が運営するポータルサイト「こころの耳」に「5分でできる職場のストレスセルフチェック」からいつでも手軽に行うことができます。「最近気持ちが晴れないな」と感じていたら、一度ストレスセルフチェックを試してみましょう。

 

ストレスセルフチェックは、「仕事」「最近1カ月の状況」「周囲の人」「満足度」の4ステップに分かれ、全57問で構成されています。併せて、「働く人の疲労蓄積度セルフチェック」も同ポータルサイトから行えますので、こちらもチェックしておきましょう。

 

自分は気づきにくい疲労やストレスの蓄積をグラフ化してもらえるため、自分自身を客観的に見つめ直す良い機会になります。もしストレスや疲労蓄積度が高いようであれば、仕事のやり方を見直したり、適切に休養を取れるよう心がけたりすることが大切です。

 

職場うつを予防するために。自身の不調に気づき早めの対応を

 

職場うつを予防するために大切なことは、まず自分のストレスサインに早めに気づくことです。職場で強いストレスを受けることが慢性化していると、次第に思考が麻痺して自分の危険な状態にも気づきにくくなってしまいます。ストレスや疲労が溜まると、慢性的な倦怠感、首や肩の凝り、胃腸の不調、不眠などの形で身体面の不調が現れやすくなります。また、精神的にも落ち着きがなくなってイライラしたり、悲観的になったりしやすくなることも多いです。

 

生活習慣や食生活が乱れる、喫煙や飲酒量が増える、身だしなみが崩れるといったことも、代表的なストレスサインです。これらのサインが現れ始めたら、仕事のストレスを軽減できないか検討しましょう。仕事と休日のメリハリをつける、1人で仕事を抱え込むのをやめる、上司や同僚と相談して仕事内容を調整するなど、うつ病を発症する前にできることはたくさんあります。

 

もし、強いストレスを感じる状態が慢性化しつつあり、自分1人ではどうしようもできなくなった場合は、職場の産業医や看護職などの医療専門職の人に相談しましょう。医療専門職の人には守秘義務があるため、相談内容が第三者に漏れることはほぼありません。問題解決のために上司や人事などの協力が必要な場合でも、相談内容をそれらの人に伝えて良いか確認してもらえます。

 

もし職場にそのような相談ルートがない場合は、外部の相談機構などを活用することもできます。自分の状況を誰かに知ってもらうだけで気持ちが楽になることも多いため、1人で思い悩まずにサポートを受けることを選択肢の1つに加えていきましょう。

 

職場うつは他人事ではない!知識をつけて自分を守ろう

 

仕事が原因で発症する職場うつは、労災認定も受けられる精神障害の1つです。セルフストレスチェックなどを活用して自分の体から発せられるストレスサインに早めに気づき、自分の身は自分で守るよう心がけることが大切です。

 

もし自分1人の力ではどうにもならなくなったら、産業医や外部の相談機構などを活用して状況の打開を目指していきましょう。

 

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