うつ病の治療を早期で始めるために、表情に注目

うつ病に寄り添う

うつ病の治療は、早期で始めることが大事だといわれています。
一度うつ病が悪化してしまうと意欲が低下し、治療に対して前向きになれない可能性があるためです。
そのような事態を引き起こさないためには、周囲の人が異変を察知することが重要です。
察知するための指標の一つとして、うつ病患者の多くに表れる「表情が乏しくなる」という特有の変化があります。
精神科医によっては、患者の表情でうつ病かどうかを診断することもあります。
ここでは、うつ病患者の「表情が乏しくなる」という変化について、ご説明します。

精神的・身体的症状の両方から無表情に

うつ病の大きな要因といわれているのが、日常生活におけるストレスです。日常生活で過度のストレスが蓄積すると脳機能が低下し、神経伝達物質の分泌に異常が生じてうつ病を発症するといわれています。

神経伝達物質である「セロトニン」や「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」には、感情を司る働きがあります。セロトニンには安堵感、ドーパミンには多幸感、ノルアドレナリンには不安感や緊張感という風に、それぞれに役割があり、適切なタイミングで脳から分泌されます。これらの神経伝達物質がバランスよく分泌されることによって、精神の健康は保たれているのです。

ストレスによって神経伝達物質の分泌量が減少してしまい、うつ病を発症すると「意欲が低下し、楽しいと感じなくなる」、「何事に対しても興味を持てなくなる」といった症状がみられるようになります。
また、食欲低下や性欲低下など、本能的欲求の低下もみられるようになります。意欲や興味、本能的な欲求まで低下してしまえば、感情の変化は起こりにくくなります。当然、感情に変化が起こらなければ、表情にも変化は起こりません。これが、うつ病によって表情が乏しくなるといわれる1つ目の理由です。

うつ病は、身体面にも影響を与えます。代表的な例を挙げると、「十分な睡眠がとれなくなる」、「頭痛がする」、「体が重く感じる」などです。これらのうつ病による身体症状も表情が乏しくなる理由だといわれています。

うつ病患者の多くは、上記のような身体症状が表れて倦怠感が続くようになります。これは、脳機能の低下により体全体への情報伝達が滞るためだといわれています。

顔には表情筋が30種類以上あり、複数の表情筋が相互に作用することで、複雑な表情を作り出します。うつ病患者の場合、脳機能の低下によって情報伝達が滞り、表情筋を動かすのが難しくなっていると考えられています。そのため、表情が乏しくなってしまうのです。なかには、顔の一部が思うように動かせなくなる顔面神経麻痺という症状が併発する人もいます。

周囲の表情が乏しくなったときには

周囲の人に「表情が乏しくなる」という変化が表れた場合、すでにうつ病を発症している可能性が高いといえます。上記にあるとおり、精神的にも身体的にも影響が出始めている可能性が高いためです。そのまま放置してしまうと早期での治療ができず、回復するまでに時間がかかることがあります。

表情が乏しくなるという変化はうつ病患者が自覚しにくい症状だといわれているので、周囲の人が察知してあげることが大切です。もしも周囲の誰かが以前に比べて表情に乏しくなっているようなら、その人の話を聞くようにしましょう。その際には、精神的・身体的な症状が出ていないかも確認し、状況に応じて病院に行くよう促すことが必要となります。

変化を察知して早期で治療を開始できれば回復するまでにかかる時間も短くなり、うつ病患者だけでなく、周囲の人の負担も軽くなります。

まとめ

「表情が乏しくなる」という特有の変化をいち早く察知することができれば、うつ病が悪化するのを防げます。周囲の人がうつ病にならないよう、変化を見逃さないようにしておきましょう。

顔には表情筋が30種類以上あり、複数の表情筋が相互に作用することで、複雑な表情を作り出します。うつ病患者の場合、脳機能の低下によって情報伝達が滞り、表情筋を動かすのが難しくなっていると考えられています。そのため、表情が乏しくなってしまうのです。

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