定年後うつ病にならないために家族ができること

うつ病に寄り添う

うつ病は心の弱い人や怠け癖のある人がかかる病気ではなく、誰にでもかかりうる病気であることが研究により分かってきました。うつ病にかかるタイミングもさまざまです。しかし、発症しやすいタイミングはいくつか存在します。定年退職後はその一つで、退職後にかかるうつ病は便宜的に「定年後うつ病」と呼ばれています。仕事を辞めてすることがなくなり、無気力感や倦怠感が続くようになると、うつ病発症のリスクが高まります。ここでは、配偶者や親などが定年後うつ病にならないために家族ができることをご紹介します。

家族の定年後うつ病を予防するためには、数年前から対策を

定年後うつ病は「何もすることがない」ストレスから始まる

「あなたの家族が、定年退職後にうつ病になるかもしれない」と言われても、ピンとこないかもしれません。しかし、定年退職後はいきなり仕事がなくなるため、喪失感にとらわれ、「自分は必要とされない人間なのでは」などの考えに至ってしまう可能性があります。そのため、現在まで精神疾患にかかったことがないような人でも、定年退職後はうつ病を発症するリスクがあるのです。

仕事においては、仕事量が多すぎて辛いなどの理由でストレスが溜まり、うつ病にかかるというケースが多くあります。しかし、定年後うつ病は逆に、「何もすることがない」ことがストレスとなりえます。また、今まで仕事を通して「評価される」環境にあったのにいきなり評価されなくなり、張り合いがなくなってしまうというのもうつ病を発症させる要因となります。

「五十の手習い」を家族でサポートしよう

「六十の手習い」「七十の手習い」ということわざがあります。「学問を始めるのに老いは関係ない」という意味で、老後の習い事などを推奨することわざです。しかし、定年後うつ病を予防するなら五十の手習いにしましょう。

定年退職してから習い事や趣味を探そうとすると、「いきなりすることがなくなった」というギャップに気分が沈み込み、結局何にも手がつかないというケースもあります。定年後うつ病を予防するためには、定年退職の数年前から習い事などを探しておくのが得策です。ところが、これにも問題があります。まだまだ働き盛りの五十代は忙しく、習い事などを探している時間がなかなか取れないケースも多くあるのです。

そこで、家族の出番です。家族がサポートし、定年退職後も続けられる活動を数年前から提案しましょう。そして定年前から活動を開始することで、定年退職後はスムーズに習い事や趣味中心の生活へ移行することができます。できれば夫婦や家族でできるものを探しましょう。

料理や登山など、選択肢は広い

習い事や趣味の対象はとても幅広いので、よく吟味し、本人の希望も踏まえたうえで打ち込めるものを探しましょう。

一例として、料理教室に通うという選択肢があります。シニア向けの教室や男性向けの教室も開かれているので、恥ずかしがらずに参加できます。手先を使う作業は脳の活性化につながるため、うつ病と関係が深いとされる伝達物質の量を増やすことができ、うつ病改善に繋がります。また、認知症の予防としても最適です。英語や漢字など、語学を始めてみるのも一つの方法です。若いころにしたかったけれどできなかった学問に挑戦してみよう、という人は多くいるので、興味がありそうなら勧めてみましょう。

趣味であれば、登山が定番です。歩くことや太陽の光を浴びることはうつ病の予防として有効だとされています。また、体力を使う趣味なので、筋力維持にも最適です。登山をする体力がないと感じたら、バスツアーなどを利用して旅行を楽しむという選択肢もあります。登山も旅行も、夫婦や家族で楽しめる趣味です。

まとめ

定年後うつ病にならないためには、定年退職前から何かしらの活動を始めることが大切です。一緒に楽しめる相手がいると長く続けられるため、家族のサポートが大切です。しかし、定年退職後に仕事の感覚が抜けず、習い事などに集中できないという人もいます。その場合は無理に別の活動へシフトせず、何かしらの形で仕事を続けるという選択肢もあります。

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