うつ病治療中の人にさせてはいけない2つのこと

うつ病に寄り添う

うつ病を治療している最中は、本人のみならず周囲もデリケートになりがちです。1人になりたいという本人の意思を尊重して距離をとったり、うつ症状で苦しんでいる大切な人を、ただ見守ることしかできないというもどかしさで緊張や焦りを感じている周囲の方も少なくないでしょう。

うつ病は基本的に本人の意思を尊重した治療や環境のもと行われますが、それでも絶対にさせてはいけないことが2つあります。その2つを許してしまうと、うつ病の悪化だけでなく別の病気まで招くことになり、本人や周囲への負担がますます大きくなってしまいます。今回は、うつ病治療中にさせてはいけないことについてお話します。

うつ病の天敵、アミノ酸不足とアルコール依存

人間の体内では生成できないアミノ酸の不足に気をつけて!

うつ病に深く関わっている、神経伝達物質であるセロトニン。必須アミノ酸のトリプトファンをもとに生成され、人間の生体リズムや睡眠、精神の安定といったうつ病に深く関わる役割を担っています。そのほかにも、身体の中にあるいくつもの器官をバランス良く機能させるためにも働いています。セロトニンは、人間の心身のバランスを保つための大切なものなのです。しかしセロトニンのもととなるトリプトファンは、体内で生成することができないため、食べ物から摂取しなければなりません。

トリプトファンを効率的に摂取できる代表的な食材は、レバーです。独特な臭みがあることから好みがわかれる食材ですが、アミノ酸を始めとして鉄分や葉酸などの栄養が豊富な食材なので、アミノ酸不足に気をつけたいときには最適です。臭みが苦手な人は、調理の段階でしっかり血抜きをすれば軽減されます。また、牛乳にしばらく漬け込むのも臭み消しの定番。トリプトファンは牛乳にも豊富に含まれているので、そういった意味でも牛乳による臭み消しはおすすめです。

トリプトファンは水に溶けにくい性質があるため、一度摂取すれば長い間体内で働いてくれます。日々の食生活にアミノ酸を取り入れ、バランスの取れた食事を心がければ深刻なアミノ酸不足を引き起こすことはありません。

過度のアルコール摂取は、どんな場合も百害あって一利なし

アルコールは、分量を守れば人とのコミュニケーションの手段となったり、ある程度緊張を和らげる効果があります。うつ病患者の中にもアルコールを好む人がいますが、うつ病治療中に過度なアルコール摂取をしてしまうとうつ病の悪化を招くことになります。

うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下といった症状が特徴です。そういった症状をなんとかしようと、気分を高揚させ緊張を和らげるための手段としてアルコールを過度に摂取する場合もあります。過度のアルコール摂取が長期に渡って続くとアルコール依存症へ発展し、周囲の目や言葉があるのにアルコールをやめられない自分が嫌になり、自殺に至るケースも少なくありません。うつ病とアルコール依存症は合併することが多く、アルコールによる緊張の緩和を知ってしまった後では、自分の意思でアルコールをやめることはとても難しくなります。またアルコールは簡単に耐性ができるため、アルコール依存が長引くほどより多くのアルコールが必要だと感じるようになります。

アルコールによるうつ病の悪化や依存症の合併を防ぐために、まず周囲が見守っていることが大切です。 飲まずに心の安定が得られるような環境を作り、適量以上の摂取は控えさせましょう。もしアルコールに依存している様子が見られたら、専門機関へ早めに相談することが重要です。本人はもちろん、家族や周囲が依存症に対する正しい知識や対応を身に付けることは、本人にとっても大きな助けとなります。

まとめ

うつ病と深い関わりのあるセロトニンのもととなるアミノ酸を不足させない、うつ病の悪化や依存症を招くアルコールの過剰摂取をさせないという、うつ病治療において絶対にさせてはいけない2つのことについてお話しました。どちらも周囲と本人がお互いに気をつけられることなので、大切な人がうつ病治療を行う場合はアミノ酸を不足とアルコールについて、注意してみてください。

うつ病治療は長い時間をかけて行うので、本人が一番もどかしさを覚えています。そういったもどかしさをアルコールで紛らわせたりしないよう、周囲と担当医が連携して情報をやりとりすることも重要です。

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