うつ病の予防・改善に有効な「笑う」という行為

うつ病に寄り添う

「笑う」という行為には、さまざまな健康効果があるということがわかってきています。
ある調査では、調査対象者に落語を聞いてもらって採血をしたところ、ストレス値をあらわす物質である「コルチゾール」の数値が低下したとの結果が出ています。
ほかにもさまざまな研究結果が出ており、「笑う」という行為と健康は深い関係にあると考えられています。
また、笑うという行為はうつ病の予防や改善にも効果的だとも考えられています。
今回は、笑うことで得られるうつ病の予防・改善効果について紹介していきます。

「笑う」という行為は自律神経を整え、うつ病の予防・改善に繋がる

うつ病を引き起こす原因は未だ解明されておらず、さまざまな説が提唱されています。そのなかでも有力だといわれている説が「身体的・精神的ストレスによって神経伝達物質が不足し、自律神経が乱れてうつ病を発症する」というものです。

自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の2つからなる神経のことです。「交感神経」が優位になると、脳や体は興奮したり緊張したりして活発な状態になります。この交感神経は運動時に優位に働くほか、脳や体にストレスがかかったときにも優位になります。逆に「副交感神経」が優位になると、脳や体がリラックスして休息を取るようになります。この副交感神経は、食事中や睡眠時などにも優位になります。このように、交感神経と副交感神経が活動時と休息時で適切に切り替わることで、心身は安定した状態を保ちます。

うつ病になるとイライラしやすくなったり、不眠の症状が出たりするのは、交感神経が優位な状態が続くからだと考えられています。交感神経が優位な状態が続くと心身の緊張状態が続き、リラックスすべき睡眠時にも十分に休むことができません。そのため、交感神経と副交感神経のバランスを整えることは、うつ病の予防や改善に繋がると考えられています。

笑うこと自律神経が整ほか、さまざまな効果が

うつ病を予防・改善する方法の一つに「笑う」という方法があります。声を出して笑ったり、笑顔を作ったりすることで、副交感神経が優位な状態を作り出すことができます。日常的に笑う習慣をつけ、副交感神経が優位な状態を作り出すことができれば、交感神経との切り替えがスムーズになり、自律神経のバランスが整います。
さらに、声を出して笑うことで、体内に多くの酸素を取り込むことができます。体内に十分な酸素が行き渡ることで血行が促進され、脳と体に十分な栄養が行き渡るようになります。脳と体に栄養が行き渡ると、神経伝達物質である「セロトニン」の分泌を促すこともできます。この「セロトニン」は、安堵感や幸福感に大きく関わるといわれている物質です。このセロトニンが不足すると、集中力の低下や無気力状態、情緒不安定といった症状があらわれるため、うつ病と深い繋がりがあると考えられています。

笑うことには、自律神経を整えて心身を安定させる効果だけでなく、うつ病の症状と深い関係にある「血行不良による脳の栄養不足、それに伴うセロトニンの分泌不足」を解消する効果があるのです。

作り笑いでも抗うつ効果がある 

上記のように「笑う」という行為には、うつ病の予防・改善に役立つといわれる効果がたくさんあります。では、本心から笑わなければ、効果は得られないのでしょうか。

ドイツの大学では、被験者に箸を歯でくわえて強制的に作り笑いをする、という実験が行われました。その結果、作り笑いをすることで意欲や快感、集中力といった感情を司る神経伝達物質「ドーパミン」の分泌が活発になり、抗うつ効果が得られたと報告されています。
作り笑いをすると、口角をあげる「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」や、目の周りの筋肉である「眼輪筋(がんりんきん)」という筋肉の動きが活発になります。そうなると、脳は「楽しい」という錯覚を起こすと考えられています。

つまり、作り笑いでもうつ病に十分な効果が得られると考えられているのです。

まとめ

「笑う」という行為は、自律神経を整えたりセロトニンの分泌を促したりと、うつ病の予防・改善に役立ちます。うつ病の初期段階、もしくはうつ病の予防段階では、お笑い番組やコメディ映画を観るなどして、意識して笑いを取り入れるようにしましょう。

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