うつ病と付合うなら必須。悩みを“聴く“5つの技

うつ病に寄り添う

人の話を聞き、心を解きほぐすお仕事、カウンセラー。彼らの「話を聞く」スキルは目を見張るものがありますね。心を閉ざしてしまったうつ病患者も、時間をかけてゆっくりと会話することで悩みやうつ病の原因を話すようになるそのスキルは、日常生活においても、円滑な人間関係のために役立ちそうです。今回は、姿勢に注意することから始まる「相手の話を聞く」ための5つのワザについてお話したいと思います。

聴く技術を身につけ、相手と信頼関係を築く

まずは基本から! 相手に全てを傾けて聞く「傾聴」

話を聞くための基本姿勢として「傾聴(けいちょう)」があります。読んで字のまま、耳だけでなく心も相手に耳を傾けて話を聞く姿勢のことです。身体も相手に傾けて聞く姿勢から「アクティブ・リスニング」とも呼ばれています。身体も耳も、心も相手に傾けて話を聞き、相手の感情を否定することなく受け入れ、共感する傾聴の姿勢は、相手に「この人は自分の話を聞いている」という実感を呼び起こします。この傾聴という姿勢は、認知症の高齢者を介護する現場でも取り入れられています。認知症の方の話をじっくり聞き、相手の気持ちに共感することでより良い介護を提供するために、介護に携わるスタッフがぜひとも身に付けるべきスキルとも言われています。

相手の話を傾聴し、理解していることを示す「うなずき」

傾聴を身につけたら、初級編として「うなずき」を実践してみましょう。日常会話でもよくみられるうなずきですが、相手の話を傾聴し、相手の話の大切なところでうなずくことが大切です。相手が一番話したいこと、理解してほしいポイントを読み取ってうなずくことで、相手は「言葉を挟まないけど、自分の話を理解してくれている」と感じます。うなずきの回数や早さによっても、相手に伝えられる感情は様々です。

日常生活において、うなずきながら相手の話を聞くことはどのくらいあるでしょう。パソコンに向かって部下に指示を出す上司や、テレビを見たまま妻の話を聞く夫、スマートフォン片手に恋人の話を聞く女性など、うなずきは身近な相手ほど使われていない傾向があります。身近な人の話を聞くときは、うなずきを意識してみましょう。

自分の傾聴の姿勢が反映されるワザ「あいづち」「リフレイン」

「あいづち」「リフレイン」は、どちらも相手の話を傾聴し、自分が短い言葉を発するワザです。使い方によっては、相手が話してくれる範囲がぐっと広まりますが、間違えてしまうと「この人実は自分の話を聞いていない」と思われてしまい、信頼を失ってしまうことも。注意すべきポイントを交えて、2つのワザを紹介します。

●あいづち

相手の話を傾聴し、気持ちを受け止めた上で短い感嘆符や疑問符を投げかけ、相手により深い話を促します。「ええっ」「おお」「それから?」というように、あいづちのバリエーションはここに書き出すときりがないほど豊富です。話が盛り上がってきたときには続きを促すようなあいづちを、相手が職場の人間関係に疲れたという愚痴を話しているときには少し声のトーンを抑えた「うん……」といったように、相手の話に込められた感情に共感し、同じ感情を短い感嘆符で返すことがあいづちです。身体を前のめりにしたり、相手の目を見るといったような小さな身体の動きを合わせると、相手は「聞いてくれている」実感をより大きく感じます。

●リフレイン

繰り返しという意味で、相手の言葉の一部を繰り返してあいづちとするワザです。リフレインを行うことで「あなたが言った言葉を聞いています」という意思表示にもなります。相手が発した言葉の中から、何がポイントなのかを見極めることが重要になるので、相手の話をより深く傾聴しなくてはいけません。会話を例としてみましょう。

Aさん「職場のC先輩に、仕事丸投げされちゃって。もう嫌になっちゃう」
Bさん「うわあ、それは嫌になっちゃうね」

短い会話ですが、BさんはAさんの「嫌になっちゃう」という感情をリフレインすることでより深い共感を示しています。Bさんが「丸投げ?」とリフレインすればそのまま仕事内容の話になるかもしれませんし、「C先輩が?」とリフレインすれば、AさんはC先輩のことを連想し、C先輩に関する話に変わることもあります。リフレインは、あいづちだけでなく話の方向性を決めることにもなるのです。

極めれば傾聴マスターになれる「要約」

こちらも書いて字のまま、相手の話を要約して伝え返すことです。話している相手が迷っているときや混乱しているときは、同じ話を繰り返してしまったり、何を話しているかわからなくなることがあります。そんなとき、相手の話をまとめて「あなたが言いたいのはこういうことですね」と伝え返すことで、相手は頭や心の中が整理され、その先へ進むこともできます。ビジネスの場面でも「確認させていただきたいのですが、よろしいですか」という前置きのあとに使われます。プライベートでも、夫婦や恋人のような親密な間柄において喧嘩を避けるためにとても効果的なテクニックです。「今の言葉はこういうこと?」と相手に確認することで、すれ違いを防ぐことができます。

まとめ

相手の悩みや愚痴を聞くときは、まず共感を持って話を聞く「傾聴」の姿勢が大切です。相手に自分の全てを傾けて、全身で話を聞きましょう。そこからうなずきやあいづちといったワザを覚えていけば、立派な「聞き上手」になれます。相手の話をより傾聴し共感することで、リフレインや要約といった応用もできるようになります。

傾聴マスターを志すときは、まず「どんな姿勢で自分の悩みを聞いてもらったら嬉しいか」ということも考えてみましょう。そのイメージに少しでも近づけることで、傾聴の姿勢はおのずとできあがります。決して自分の持論を押し付けたり、途中で話を遮ってはいけません。

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