子供のうつ病は傷ついた心のケアが肝心

うつ病に寄り添う

近年になって増加しつつある不登校の子供。その背景には、子供のうつ病が隠れていることをご存知でしょうか。学校でのいじめや成績不振など、表面上にある不登校の原因は様々です。しかし、子供のうつ病の根っこには、両親とのコミュニケーション不足による自信喪失があります。日常生活において子供の自信を失わせてしまう原因となる両親の行動や、子供の心が傷ついてしまったときに両親が気をつけたいことを、お話したいと思います。

親との関係で傷ついた子供の心を、親自身が癒す

子供が訴える、こんな身体の症状に注意

「原因不明の腹痛や頭痛、便秘や下痢を繰り返している」

「日中は常に眠そうで、どうやら夜に眠れていないらしい……」

子供にこんな症状がみられたら、子供の心に何かが起こっているサインです。子供のうつ病においても、大人と同じように原因不明の症状である不定愁訴(ふていしゅうそ)を訴えることがあります。

親が忙しくしているときなどは、つい「学校に行きたくないからってそんな嘘をついて」と強く叱ってしまいがちですが、子供が嘘をついている可能性より先に、子供の心に何かが起こっている可能性を考えてみてください。病院で検査を受けても異常がなく、頻繁に不定愁訴を訴えるようならば、一度子供ときちんと話をしてみる必要があります。

子供だって話を聞いてほしい

子供には子供の生活があり、自宅や学校で様々な体験をします。良いこともあれば、悪いこともあります。友達と喧嘩すれば不機嫌になって、ストレスを溜め込むこともあるでしょう。そんなとき、心に溜め込んだ感情を整理するためにも、親子間のコミュニケーションが重要です。

しかし、忙しさや親自身の感情に左右されて「あとにしてね」「今日は疲れているから明日」と言って子供の話を聞く機会を作らずにいると、子供は「両親から相手にされない自分には価値がないのだろうか」と思い悩み、両親から愛されているという自信を失います。こうした積み重ねが子供から両親への信頼を奪います。そして、身近な大人である両親を信頼できなくなることで、社会と関わりを持つ自信を失くしてしまうのです。

また、子供の豊かな感情表現を「うるさい、静かにして」と遮ったり、嬉しい話を「どうして自慢したがるの」と押さえつけてしまうと、子供は「自分のことを表現するのは悪いこと」と判断してしまい、自分を表現する能力への自信を失ってしまいます。「愛されない」「能力に自信がない」といったきっかけでうつ病になることは、大人にも十分ありえることです。大人がカウンセラーに話を聞いてもらう必要があるのですから、子供はもっと話を聞いてもらいたいのです。

子供の心が傷ついてしまったとき、親が取り組むこと

両親との小さなすれ違いが積み重なると、子供は社会と関わる自信を失ってしまいます。そういった不安を引きずり続けるとやがて小さなきっかけで爆発し、うつ病の発症という形で現れます。うつ病になった子供は自分の所属する社会との接触を避けようと、不登校になるケースがほとんどです。そんなときに両親ができること、気をつけたいことを挙げてみましょう。

●子供の心が傷ついたことを理解し、受け入れる

子供がうつ病になったときは「何が嫌だったの」と、すぐに原因を聞き出そうとしてはいけません。うつ病を発症してしまった子供は自信を失くし「自分が何を言っても両親には信じてもらえない」と諦めてしまった状態です。まずは子供が傷ついているということを受け入れ、理解する姿勢を示してあげてください。「◯◯が辛かったんだね」「今まで辛いのに頑張ったね」というような言葉で、子供を理解する姿勢を示しましょう。子供が感じた悲しい思い、悔しい思いを受け入れて、子供が自分を表現するための第一歩を手伝うのも大切です。子供の感情表現を抑制せずに受け入れましょう。

●両親の愛情は最高の特効薬。ほめて、承認することも重要

子供から失われた両親への信頼を取り戻すには、子供を認めることが必要です。学校へ行かなくなった代わりに、昼間に一緒に家事をしてみましょう。洗濯した服をたたむ、お昼ごはんを作るために卵を割る、そんな小さな事からでいいのです。家事が終わったら「ありがとう、上手ね」「助かったわ」と、子供に一言お礼を言いましょう。そうすることで、子供の心は少しずつ自信を取り戻していくのです。「言われたことをきちんとできた」という達成感と、「両親からお礼を言われ、認められた」という愛情の確認を一日にいくつも積み重ねていくことで、傷ついた子供の心はゆっくりと癒やされていきます。

●病院に連れて行く場合は、子供の意思を確認すること

近年、子供のうつ病や不登校を専門にケアする医師や機関が増えてきました。そういった場所に子供を連れて行く場合は、どういった理由で、何をするために病院へ行くのかをしっかり説明しましょう。その上で本人に意思を表明させることが大切です。子供自身が病院や専門機関を嫌がる場合は、まず両親だけで相談に行きましょう。両親だけでなく子供とも相性の良い医師を見つけて、医師と子供、両親の三者の間に信頼関係を築ける環境を作ってから治療やカウンセリングを始めることが何よりも重要なことです。

まとめ

子供の言葉には、子供自身の全てが詰まっています。嬉しいことや悲しいことを素直に表現できるように両親が子供を受け入れ、日頃から子供を認めることは、子供のうつ病への治療や予防として重要な行動です。うつ病であっても子供の意思を尊重し、病院を嫌がる場合は無理に連れ出してはいけません。医師やカウンセラーによる治療も大切ですが、子供にとって最高の特効薬は、両親から注がれる愛情と承認です。子供の心が傷ついたときこそ、より深く子供を理解できるよう、子供の心に寄り添う考え方をしてみましょう。

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