非定型うつ病の症状は従来のうつ病と異なる!接し方のポイントとは?

うつ病に寄り添う

うつ病の改善には家族や周囲の人の病気への理解と治療への協力が欠かせません。

従来のうつ病の病識については少しずつ世間にも浸透しつつあります。しかし、うつ病には「非定型うつ病」というタイプのうつ病があり、一般的なうつ病とは少し症状が異なることをご存じでしょうか。今回は非定型うつ病の患者と向き合う際のポイントについて紹介します。

 

非定型うつ病の「気分反応性」を理解する

従来のうつ病はその名の通り、基本的に気分がふさぎがちになる抑うつの症状がでることがほとんどです。

以前は楽しめていたものが楽しめなくなったり、苦痛になったりするのが特徴にあります。一方、非定型うつ病では「気分反応性」とよばれ、時に抑うつ症状がでたり、時に気分が上向きになったり、気分が上下するのが特徴です。特に自分が好きなことをするときに気分がよくなることが多いので、周囲には「甘えている」と誤解されることが少なくありません。仕事がつらいとふさぎ込んでいたかと思うと、週末には映画や趣味、友人と食事を楽しんだりして、気分が上向き傾向になることが珍しくありません。

しかし、これは意図的に行っているものではなく「病気がそうさせている」ということを周囲の人は理解をする必要があります。とても都合よく気分の上下が見られるように感じても、それは病気の症状であることを理解して、「甘え」「怠け」「根性が足りない」などといった言葉を安易に投げかけないように注意しましょう。

 

非定型うつ病の「拒絶過敏性」には冷静に対応する

従来のうつ病は几帳面で責任感の強い人がなりやすいといわれ、一般的に自分を責める傾向にあります。

しかし、非定型うつ病の人は「拒絶過敏性」といい、他人のささいな一言により過敏に反応して深く落ち込んだり、時に怒ったりさらには攻撃的になったりもします。だれしも他人からなにかを言われて傷つくことはありますが、それが過敏で反応が極端であることが特徴です。

家族や友人からのなにげない言葉を被害妄想に近い受け取り方をするので、対人関係のトラブルに発展することも少なくありません。もともと他人の目を異常に気にする対人恐怖症的な傾向やプライドの高い人が多いといわれています。非定型うつ病をわずらう人がなにげない一言に激怒した場合は冷静にそのような意味でいったのではないことを相手に伝えます。

それでもしつこくに攻撃してくるときには病気のせいでそのように考えやすいことを話しましょう。それでも納得しない場合は、それ以上深追いをしないで、話を1度打ち切るのが賢明です。拒絶過敏性もまた症状のひとつですから、周囲が必要以上に反応をすることなく、冷静に対応することが求められています。

 

非定型うつ病ではときに「励ます」ことも必要

従来のうつ病をわずらった場合、「がんばろう」と励ますことは、患者本人を責めることにつながるので、よくないことだとされています。

しかし、非定型うつ病をわずらっている人に対しては、適度な励ましやプレッシャーを与えることは有効であることがわかっているのです。非定型うつ病も、症状の強い急性期には本人の言葉に耳を傾け、しっかりと休養させてあげることが従来のうつ病と同様に必要です。そうして症状が落ち着いてきたら、それなりに上手に背中を押してあげることが本人のためだと考えられています。

励ましながら前に進ませてあげないと、依存をしたままになってしまい、なかなか先に踏み出せずに、患者本人が大きく苦しむことにつながることがあるからです。しかし、「どの時期にどの程度のプレッシャーを与えるべきか」また「どのような言い方をするか」などの問題は個人差が大きく簡単ではありません。きちんと主治医と相談をして、本人に合った形で、自立を促しましょう。

 

非定型うつ病は生活リズムを壊しやすいので注意

従来のうつ病患者は不眠に悩むことが多いのに対して、非定型うつ病の患者は過眠傾向が強くお昼近くまで寝ていることも少なくありません。

また、鉛様麻痺(えんようまひ)といい、手や足が鉛のように重たく強い倦怠感を感じる症状がでることがあります。鉛様麻痺は特に会社に行く時間帯である朝に起きることが多いとされています。これらの症状もまた自分の意志とは関係なく脳の神経によって生じています。そうした症状は簡単に昼夜逆転の生活を引き起こしてしまいますが、昼夜逆転の生活は、うつ病を進行させてしまうこともわかっているのです。

患者本人がひとりで生活リズムを整えることはとても難しいでしょうから、できるだけ家族がそれを支えてあげる必要があります。朝に一緒にウォーキングに出かけたり、食事の時間に気をつけたりするなど、昼寝や夜ふかしをしないような配慮が必要です。

 

非定型うつ病の特徴的な症状を理解し、適度に励ましながらサポートしよう

非定型うつ病とは従来のうつ病とは違った症状をみせることがあります。気分反応性や拒絶過敏性といった特徴的な症状に理解を示すことがまず大切です。

決して甘えや怠けといったことから起きているわけではなく脳の機能の低下によって出ている症状なのです。その点をしっかり理解したうえで症状が悪化しないように生活リズムを整えるように励まし、協力しながら自立を促すことが必要になってくるでしょう。

「どの程度本人を励ますべきか」という問題は症状や状況によって異なりますから主治医としっかり連携をとることも大切なことです。

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