矢田部ギルフォード性格検査でみる性格の違い

うつ病に寄り添う

人の性格というものはそれぞれに違うものです。社交的な人もいれば、控えめな人もいます。慎重にものごとを進めるタイプの人がいれば、案ずるより産むがやすしタイプの人もいます。どちらにも長所、短所があり、どちらが良い、悪いというわけではありません。矢田部ギルフォード性格検査とは、そういった性格の特性をみる検査です。今回は、矢田部ギルフォード性格検査について紹介しています。

矢田部ギルフォード性格検査とは?

矢田部ギルフォード性格検査とは、120の質問に答えることによって、個人の性格の傾向を知ろうという心理テストです。120の質問と聞くと、多いように感じるかもしれませんが、自分で質問を読み、答えることができるので15~20分程度で終了することができます。矢田部ギルフォード性格検査とはもともとアメリカの心理学者であるギルフォード氏が考案した心理テストです。それを日本の心理学者である矢田部氏らによって、日本の慣習や文化に合うように質問内容が変更されました。

検査は矢田部ギルフォード性格検査の検査用紙とボールペンがあれば行うことができます。120の質問に対して、一番適していると自分が思うところにしるしを付けるだけです。「はい」の場合は「はい」の欄に、「いいえ」の場合は「いいえ」の欄に、「どちらでもない」場合は「?」の欄に指定された印を入れます。記入した後にやはり違うと思ったときには、回答を変更することもできます。年齢に応じて検査内容を変えていることもあり、小学生、中学生、高校生でもそれぞれの年齢にあった専用の検査を受けることが可能です。

 

 

矢田部ギルフォード性格検査の利用の仕方

矢田部ギルフォード性格検査を実施する最大の目的は被検者の性格の特性を知ることです。性格といっても、性格が良い、悪いといったような単純なものではありません。初対面の人に対しても苦労なく話ができる人もいれば、仲良くなるまでに時間がかかる人もいます。自分自身に自信がある人がいれば、実力があるのに自信がない人もいます。常に冷静に判断することが得意な人がいれば、感情的になりがちな人もいます。120の質問に答えることによって、情緒の移り変わりや社交性、協調性など、被検者のもった性質を判断したものです。

性格の特性とは心身の状態や仕事の適応力、人間関係などに大きく影響を及ぼすことが考えられます。したがって、精神疾患を患っている患者に適した治療方針を決定するために、矢田部ギルフォード性格検査を実施することがあります。患者の性格の特性を理解することが治療の助けとなることがあるのです。

臨床現場に限らず、特定の仕事に適しているかを判断するために就職時の採用試験で利用されることも少なくありません。就職後、適した部署に配属するために利用したり、リーダーシップがあるかをみるために昇進時に利用したりすることもあります。

 

矢田部ギルフォード性格検査でわかること

矢田部ギルフォード性格検査は12の尺度に分けて考えられています。12の尺度とは、下記の通りです。

 

・抑うつ性

・気分変化

・劣等感

・神経質

・客観性

・協調性

・攻撃性

・活動性

・のんきさ

・思考性

・支配性

・社会性

 

回答結果から12の尺度の強弱がわかるようになっています。また、それらを複合的に分析することで、6つの因子についての特徴を判断します。

 

・行動の特性

・情緒の安定性

・人間関係

・仕事に対する姿勢

・リーダー的資質

・知的活動性

 

「行動の特性」とは、外交的でさまざまな会に参加したり、役を積極的に引き受けたりするかどうか、活動性の分析を行います。「情緒の安定性」とは、抑うつ的な感情を経験しやすいか、気分の変動がしやすいか、劣等感を抱きやすいか、心配性かどうか、などといった情緒に関する分析を行います。「人間関係」とは、他人との接し方、人に対しての不信感や不満の抱き方など、対人関係についての分析を行います。

「仕事に対する姿勢」とは、計画的に仕事に取り組めるか、困難なことに直面しても積極的に行動ができるかといった仕事ぶりを分析します。「リーダー的資質」とは、グループのリーダーとして適しているかどうかがわかります。「知的活動性」とは、物や人に対しての攻撃性や協調性、客観的に物事をとらえられるかなどについて判断します。

結果についてはどちらが良いとか悪いとかではありません。自分にない性格に憧れるがあまり、回答を操作してしまうと、治療が期待通りに進まなかったり、配属先で不向きな仕事を任されたりすることもありうるので気をつけましょう。

 

矢田部ギルフォード性格検査にかかる費用

矢田部ギルフォード性格検査は健康保険が適応されます。心理テストは試験の実施の仕方によって保険の請求額に違いがあります。矢田部ギルフォード性格検査は120問の質問に答えなければなりませんが、被検者が自分で質問を読み回答する形をとっているので、簡易検査とされているのです。したがって、健康保険があれば、検査そのものは数百円程度で実施することができるでしょう。

ただし、医療機関によっては「自由診療として検査を行う」「医療機関のシステムによって費用に違いが出る」ということもあります。矢田部ギルフォード性格検査に関して興味があり、検査を受けたいと考えているのであれば、まずは、直接、医療機関に問い合わせをすることがおすすめです。

 

矢田部ギルフォード性格検査は治療や仕事を円滑に進めるために利用する

矢田部ギルフォード性格検査とは被検者の性格の特性を知るための心理テストです。治療方針を決めるために実施することがあります。手軽に実施できる点から、就職時や昇進時にも利用されています。性格の特性をみるための検査であり、良し悪しを判断するものではありません。勝手な判断で、正直に質問に回答しないでいると、本来受けるべき治療が受けられなかったり、自分に合わない部署に配属されたりする不利益が生まれることがあるので注意しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめ記事