直接会えない場合は、込み入った話をしない

プロフィール
S.K 30代 女性
仕事のストレスからうつ病を発症。診療内科、精神科への通院を始めるが、医師との信頼関係が築けず通院治療を断念。発症の引き金になった仕事を退職後、ひきこもりになりかけるも、周囲の理解と支えを得て自己回復。
お困りごと
ラインやメールの対応

 

 

メールやラインで詳しく説明する気力もわかず、人間関係を損ねる

うつという病気を抱えてしまった私にとって、他人と関わる事は思った以上に苦痛でした。それが家族であっても苦痛に感じるのですから、相手が他人となればもはや拒否反応です。それでも今のスマートフォンや携帯電話のアプリの普及により、逃げても追ってくるような人間関係が築かれていますから、それだけで確かなプレッシャーになっていました。
最初のうちは、気が乗らなくても頑張って今の症状を相談してみたりしましたが、心の持久力がなくなってしまっていたその時の私は、ある程度のところまで行くとやり取りを投げ出してしまっていました。
それで失った友人も少なくありません。
でも、それでも私を気にして定期的に連絡を取ろうとしてくれる友人もいました。

Fotolia_66432107_Subscription_XXL

病状を伝える=人間関係の変化を覚悟する

私の経験上では、まだまだうつ病について寛容な人は少ないように思います。私の周りの一部の人からは、強く励まされたり、甘えだという言葉で追い立てられることがありました。そのため、相手に自分の症状をメールなどで伝えたりする場合はある程度の心構えが必要になります。
もしかしたら、病状を聞いて尻込みして返信をして来なくなるかもしれない。
相手から自分が望んだ言葉は返ってこないかもしれない。
そうなってしまった時私は、返信が途絶えたり、また途絶えさせてしまったりしても、深く考えず距離を置くようにしました。
正直、その程度の付き合いしかして来なかった相手なのだと自分の中で結論づけたのです。もしくは、そのようなぎこちなさを生んでしまう可能性を予想できる相手なら、
「忙しいの」「最近体調が悪いから……」
などと、軽くやり取りを控えめにしたいことだけを伝えるのもいいかもしれません。

友人知人がうつ病らしいと知ったときは

また、逆の立場として、気軽に近況を確認した相手から、うつ病になったという知らせやそういった状況を連想させるネガティブな内容の返信が来た時は、相手の心情を出来るだけ察し言葉を選んでいくべきだと思います。
まずは、根掘り葉掘り事情を聞いたり無理矢理連れ出そうとしないことです。

「そうか、大変なんだね。落ち着いたらゆっくり会おうね」。
「よく眠れないんだね、それじゃあ毎日辛いよね。カモミールのハーブティーを飲むといいみたいだよ」。
そんな風に、本人が自発的に行動を起こせるまで待っていることや、辛いことに関してそれを解消する方法などを簡潔に伝えるようにすると、だらだらやり取りが続かずに済み、お互いにほどよい距離を保つことが出来ます。

Fotolia_69740915_Subscription_XXL

心が弱っても、相手を思いやることをやめない

自分の病状を説明し共感を得られたとしても、相手があなたの全てを受け入れた訳でも、何でも許してくれるようになった訳でもありません。私はそれを勘違いして、人との溝を深めてしまった経験があります。
その人は、私にはない寛容さを持った人で、私はそれに甘えて随分と振り回してしまいました。
すぐに会える訳じゃないのに、辛いことや話し相手がいないことを嘆いて困らせてしまったり……。自分の悲観的な心情だけを綴った絶望的なメールを送ってしまったり……。
そのうちに、段々メールの返信が減っていきました。そこまで来てやっと、私は自分本位な関係性を押し付けていたのだと気付いたのです。

心を弱らせた自分に手を差し伸べてくれた人がいて、その人が自分にとって大切だと思えるなら、メッセージを送る前に大きく深呼吸をしてください。
それを見て、相手がどう思うか想像出来ますか?
相手が自分から離れてしまった時、あなたはどう思いますか?
心が弱っていても、落ち着いて考えることをやめてはいけません。

直接会える人にだけ込み入った事情を話す

昔から、手紙で言うと効果的なことと直接言う方が効果的なこととがあるように、ラインやメールで言うべきでないことも多くあります。
文面だけでは、誤解や早とちりがあったりするのも仕方がないことだと思います。どんな表情で言っているのか、泣いているのか怒っているのか。本当に大切な相手なら、そういうことも含めて知りたいと思うものじゃないでしょうか。

私は、最終的に“直接会える人にしか込み入った話はしない”ことにしました。色々なやり取りから、相手のためにも自分のためにもそれが最善であると思ったからです。
そうしてみると、私の心は随分軽くなりました。
相手がどう思って読んでいるのかも、なぜ返信が来ないのかも、どういうつもりであんなメールを送ってきたのかも、何一つ考えないで済んだからです。

ラインもメールも生活に溶け込んではいますが、それをやらなければいけない訳ではありません。顔を見て泣いたり怒ったりする方が、よっぽど生活には必要なことだと思いますから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ記事