薬と治療方針を知り、自分から治す意思を持ち続ける

プロフィール
美樹 20代 女性
建設コンサルタントにて就業中、同僚との人間関係に悩み不眠や食欲不振などにより体調が悪化。その後「うつ病」と診断されのち、最終的に「双極性障害」と診断され、現在は通院と服薬でコントロールできるまでに回復した。
お困りごと
投薬内容への疑問 

 

「本当に治るのか」という疑問に向き合う

「うつ病」の治療が始まり、数カ月、数年と時間経過とともに、「本当に治るのだろうか」と不安になってきます。先の見えない病気の中で、本当に治るということは、どういう状態なんだろう…皆さんはそんな風に思うことはないでしょうか? 私はだんだんわからなくなってきました。

自分自身が病気だと言われている時間が長すぎて、そして薬を飲んでいる時間が長すぎて「健康な自分」というものを見失ってしまいました。自分の判断で勝手に、薬をやめるのは危険だということは頭ではわかっています。しかし、飲んでも飲まなくても変わらないのではないか、という思いも常にくすぶっていました。

診察時に「調子はどうですか?」と訊かれれば、たいして良くはなってないので「あまり調子は良くなく、眠気がひどいです」などと、思ったままのことを言うと薬が変わったり、増えたりしています。
でもそれは本当に体にとっていいのかと思うようになりました。

突然の体重増加→ネットを検索してパニックに

そう疑問に思うきっかけは、突然の体重増加です。通院し始めてから徐々に、体重は増えてきていたのですが、ある時、気づいたらお腹は妊婦さんのように張り、2週間ぶりに体重計に乗ると6㎏も増えてしまいました。そんなに暴飲暴食した覚えはないのに、通院し始めてから通算すると10㎏増です。

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基本的にうつ病を治す薬は体重が増えるものが多いそうで、それは食欲増進作用が働くものが多いからです。

当時私は、うつ病に使う「うつ状態」を抑える薬と、双極性障害を抑えるための薬の両方を飲んでいました。そして時々やってくる「躁状態」の時には鎮静剤を一時的に服薬するのが基本的な治療方針です。
診察時に「軽躁状態」と医師から言われていたのにも関わらず、処方された薬は「うつ状態」を良くするお薬「ノリトレン10mg」が1日4錠入っていました。「ノリトレン」とは古くからある「うつ病」の三環系のお薬で簡単に特徴を言うと、効き目は早いけれど口の渇きなど多くの副作用があるため、「うつ病」の治療のために最初に使う薬にはしないのが一般的だそうです。そして食欲増加と代謝抑制作用で太りやすい薬とも言えます。

また寝る前に頓服する抗精神病薬「ジプレキサ」も太りやすくなる傾向があり、一気に体重増加に拍車がかかったのだと考えられます。

心の中に湧いた疑問を素直に主治医にぶつける

「ジプレキサ」は双極性障害や統合失調症やうつ病にも使われる薬ですし、副作用に眠くなる作用があるので寝る前に服薬するよう処方されたことに納得がいきます。しかし問題は「うつ病」のお薬、「ノリトレン」のほうにありました。

夜中にネットで太る薬を飲んでいたことにパニックになって、翌日朝一番に電話で太ってしまったことを告げると、「なんで早く言わないの!」とから主治医から逆に叱られる始末。そしてノリトレンを一日4錠から2錠減らし、「ジプレキサ」を中止するよう言われました。
その時は、状況が整理できていなかったので、何も言い出せませんでした。

しかしよくよく考えてみると、私が太り始めていることに気づいたのは前回の診察の後です。それも前回の診察時に、「軽躁状態」と主治医の口から出たので、「うつ状態」を良くする薬が入っているなんて思ってもみませんでした。
ネットで薬の情報を調べて効能などを知るうちに、先生への不信感が募りました。そして次の診察の際、自分の疑問をぶつけたい気持ちが高まりました。
そして診察の日、薬の事文句つけるみたいで言いにくい気持ちを抑え、「なぜ軽躁状態なのに抗うつ剤のノリトレンも使ったのですか?」と思い切って聞いてみました。
すると先生は、「その2週間前の診察で、今にも死んでしまうんじゃないかというような危険な状態の鬱だったからプレキサとノリトレンを処方したし、急にノリトレンを中止するのは危険でしょ? 今のあなたは状態がいいとはいえ、躁と鬱がミックスされた状態なんだから」と、しぶしぶ納得のいく答えが返ってきました。

それに加えてノリトレン自体は前にも何度も使用した経験があり、今回急激に太った原因は初めて使ったジプレキサにあるようでした。そして抗うつ剤を中止しうつ病、躁病ともに使える抗てんかん薬の「ランドセン」を飲むことになりました。そして、もしあまりに落ち込むようであれば受診するようにと勧められました。

自分で治すという意志が完治・寛解への第一歩

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私は当時、調子が良いことしか頭になく、つい4週間前の自分の精神状態を覚えていませんでした。体の調子は日々変わり意外と少し前の事でも覚えていないことが多かったので、しっかり体調日記をつけることの大事さを痛感しました。
そして主治医は最後に「ネットにうつ病のくすりで太るとかいっぱい情報が溢れていると思うけど、体験談は本当に個人差があるものだから鵜呑みにするのも良くないよ」と付け加えられ、ネットの情報だけでパニックを起こしてしまったことを反省しました。
ちなみに、増えた体重は、薬の変更もあり徐々に食事や運動で減らすことに成功しました。

主治医に薬について細かく聞いたり、要望を伝えるのは医師と患者という関係上、私はとても苦手です。しかし、これを機にただぼんやりと医師に言われるがまま通院するのではなく、出されたお薬のことを良く知り、自分に何が起こりうるのかちゃんと知らなければいけないと強く感じました。

またこのやり取りで、医師と患者の関係にも考えさせられました。今の主治医は私にとって2人目の精神科医です。私と主治医はフレンドリーで話しやすい、私にとって、とてもいい関係を築いてきました。今回の件で説明が足りないと感じたとしても、それをカバーできるだけの信頼関係があったので、他のもっと説明をしてくれる医師を探そうという気持ちになりませんでした。しかし説明不足や不信感が募るようであれば、セカンドオピニンオンを求めたり転院することも考えたでしょう。

体調が悪いと何も考えたくないですが、そんな時にもしっかり「自分のことは自分で治すのだ」という意志を持つのが完治・寛解への第一歩だと思っています。

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