ストレス発散を身だしなみを整えるきっかけにする

プロフィール
S.K 30代女性
仕事のストレスからうつ病を発症。診療内科、精神科への通院を始めるが、医師との信 頼関係が築けず通院治療を断念。発症の引き金になった仕事を退職後、ひきこもりになりかけるも、周囲の理解と支えを得て自己回復。
お困りごと
身なりへの無関心

うつの発症と平行して自分の身なりへの興味が消失

私がうつ病と診断される直前は、どんどん身だしなみに疎くなっていき、肌や髪にもその影響は傷みとなって顕著に現れ始めていました。
やがて仕事を辞め外に出る機会が無くなると、鏡を見て自分をチェックすること自体も減っていき、かろうじて1日に1、2回洗面台でちらっと見る程度。その度にみすぼらしくて情けない、見るに堪えない自分からすぐに目を逸らすことがほとんどでした。

 

無気力さが自分への無関心を増長させる

私はもともとしっかりとメイクをするというよりも、薄く自然なメイクをするタイプでした。敏感肌だったこともあり、化粧品との相性や季節によって荒れたり乾いたりしてしまうことが多かったので、メイクが薄い分、手入れはきちんと行っていました。
それが精神的に不安定になりだした頃、まだうつ病と分かる前あたりから段々と手入れが行き届かなくなっていきました。ただすごく面倒でやる気が起きなかったのです。
その状態の肌にいきなりファンデーションを塗れば、当然荒れてしまいます。けれど、ひりひりしたりかゆみがあったりしても、どうにかしようとは思いませんでした。
やがて髪型や服にも気を使わなくなり、いつも同じ髪型で同じ様な服ばかりを着て、荒れた肌を隠すようにファンデーションを厚く塗って仕事をしていました。
今思えば何とかしなければいけなかったと思えますが、その時の私はそれについて陰口を叩かれているのを聞いても、ショックよりも無気力さや無関心さが勝っていました。

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外出の機会が減ることで無関心が加速化

私は、それから3、4カ月ほどしてその他にも色々とうつ病と思われる症状が出始め、会社を辞めることになりましたが、それが影響し私の中にかろうじて残っていた身だしなみへの関心はまるで無くなってしまいました。
伸びっぱなしの長い髪は手入れをしないせいで絡まり、その髪が触れる頬はかぶれて痒くなり、気になって掻き壊すから傷のような赤みが残ってしまう。
それでもしばらくするとそれにも慣れて、また気にしなくなりました。
どうせ誰にも会わないのだからと、毎日同じ服で髪もいじらずメイクもせずに過ごしました。時々、「このまま死んだら私を見つけた人が醜い物を見るから気の毒だな……」と、ふと考えたりしました。

ヤケになって起こす行動は悪いばかりでもない

それからまた3カ月ほど経ったある日、私は突然思い立ち自分で髪を切りました。その頃の季節は夏で、暑さに負けて思い切って自分の髪にはさみを入れたのです。半ば自暴自棄ではあったと思います。
「どうせ外に出ないんだ、自分がいいようにすればいい」と、思い切ってセミロングをバッサリ短くしました。なんだかすごく、すっきりしました。
その頃には、無駄なメイクをしないで過ごした日々が幸いしたのか、肌の調子も少し良くなってきており、全体的にとても雰囲気が軽くなりました。なんだか楽しくて、切り進めていくうちにベリーショートになってしまいましたが、見えない状態で切ってしまった後ろ側がひどい有り様で、結果的には母にため息をつかれながら切り揃えてもらうことになりました。

いざそれなりに整って鏡を見てみると、私の髪にはとても多くの白髪が生えていました。20代後半としては少し目を引く量の白髪でした。
ショックを受けながらも、私は短くなった髪からその白髪を一本一本抜いていきました。なんだか無心になって何時間も鏡と向き合っていました。
それを見た人がいたとしたら、とても異様な光景だったと思います。でも私には、ある種のストレス発散になっていました。
だからなのか、それが終わった後、鏡に向かっていた私はまるで別人のようでした。普段も髪型が変わるだけでちょっとした気分転換にはなりましたが、その時はまるで生まれ変わったような新しい気持ちになりました。
まるで思い切って切った髪が私から色んなものを一緒に取り去ってくれたようでした。

トレスの発散は前向きな結果を生む

女性は特に、自分の身だしなみを整えることでモチベーションがかなり変わってきます。いっそ髪を奇抜な色に染めてみたり、私のように思い切っていつもよりだいぶ短くしてしまったり。そんな行動だけでもストレスの発散には役立つと思います。自暴自棄でも、自分や周りに痛みを伴う傷をつけるよりもずっと建設的です。
そうしているうちに、「これをしよう、あれもやってみよう」。そんな風に気持ちが向いたらとてもいい兆候です。
私は髪をバッサリ切った後には、確かな変化が生まれました。目に見えた変化が生まれたことは、私自身前向きになれるきっかけになったのだろうと思います。

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鏡の中の自分に励まされる

突然不安になったりする時には「自分はこんなに変わったんだ、だから大丈夫」と言い聞かせて過ごすことが出来ました。それは、今までの自分にはない支えであり、唯一の“生まれ変わった証明”でした。
それから数カ月後に、私は仕事を探すようになりました。

不採用の返事をもらうその度に、自信を失って自分のことが嫌になりました。けれど、ここまで来たことや今まであった辛い事を思い出し今の自分を見て、「大丈夫、大丈夫」と自分を奮い立たせるようにしました。
少し焦ってしまう時は一度立ち止まって何もしない時間を作ったりもしました。つまづいて立ち上がろうとする時は必ず一度鏡を見て、新しい自分と顔を合わせてからやり直すようにしました。

私の中身に変化が無くても、鏡の中の私は確かに変わっている。そしてちゃんとそこにいる、それが私には何よりの励みでした。

そうして、前職を辞めてから約1年後、私は無事に社会復帰を果たせました。
今でも何か自分に大きな変化が訪れる時には、リセットするように、生まれ変わるように、髪を切ったり髪型を変えたり、メイクを変えたりしています。
新しい自分で出直そうと思えば、未来もきっと今までとは違う、全く新しいものになるはずですから。

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