家族は味方であることを態度で示し、安心してもらう

プロフィール
Y.K 50代 女性
会社でのパワハラを機に適応障害からうつ病を発症した夫の療養生活を見守っている。

お困りごと
被害妄想

 

職場でのパワハラが元で家でも被害妄想に

夫48歳は3年前に交通事故の被害者となり、一時期足が不自由になりました。
職場ではその通院などに理解が得られず、怪我のために仕事の効率が落ちていた時期に精神的に追い込まれるような発言を上司から受けて、夫は徐々に適応障害のような症状を見せるようになりました。笑顔を忘れてしまいマイナス思考で暮らすようになります。
結果的には退職に追い込まるほどに、個人に向けらえる嫌がらせや暴言は1年以上も続き、夫は被害妄想を抱くようになり徐々に言葉数も減っていきました。

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上司からのイジメを発端にネガティブからうつ病へ

負傷した足のリハビリを続けながら出勤をしている夫に向けて、「死んだ方がよかったのでないの?」という上司による暴言が始まった時期から、夫の精神状態は徐々に崩れていきました。
家庭内でもそれは変わりませんでした。娘がちょっとした冗談で「もっと自分の思うことちゃんと伝えればいいじゃない」と言った時に急に涙目になって夫が反論をしました。「僕の居る職場は思うこと考えていることを言うと平気で首が飛ぶ職場なんだよ!」

夫は次第に言葉を交わすだけでも「またそんなことを言うの?」「どうせ自分が悪いのだから」というネガティブな言葉を発するようになりました。明らかに異常であると思える神経質な発言や人を信じられないという気持ちは妻である私に対しても向けられていました。

顔面神経痛が見られるようになったので思い切って心療内科の受診を勧めました。最初は抵抗したものの、退職を視野に入れた状態で正直に医師へ今の自分の状態を伝える努力をしました。この時期から精神安定剤を投与してもらっていました。

被害妄想が酷くなり、ついに退職に

休職願を出した途端に退職勧奨にあい、夫の体調と精神面は悪くなる一方でした。被害妄想はこの時から色濃くなり玄関のチャイムが鳴るだけでまた上司たちが訪ねてきたのでは?と疑い深くなり、通院時でも上司たちの自家用車と同じ車種を見かけるだけで額に汗をかくような精神状態に陥っていました。そして、最終的には職場を去ることになったのです。

うつ病になってからは大音量でテレビをつけ、何時間もひたすら画面に向かっている日が増えました。明らかに異常……。そう感じて「ちょっと外に出てみたら?」「同じことばかりじゃなくて何かしたら?」と声をかけると機嫌を損ねて急に別の部屋にこもって出て来ない時もありました。
ついつい傍で見ていて、文句の一つも出てしまうのです。責める気持ちはないのです。彼を改善してあげたいという一心の声かけでしたが、かえって逆効果になっていたようです。それ以降は、ある程度、本人がしていることには寛容になり、健康を損ねること以外には干渉しないようにしました。

夫にとっては私の声かけまでも全て批判に聴こえてしまうというのは哀しいことでした。でも、病気が後ろ向きの思考を生み出す現状については時間をかけて家族が理解するように努力をしました。

うつ病と付き合うというのは四角四面に尺度を決めることではなくて少し割り引いて今理解できることを優先することなのだと感じました。

なんで?どうして?を辞め、信頼と感謝を伝える

職場での上司への恐怖感は退職してからも被害妄想という形で持続しています。自分が意見をしたことに対しては全て頭打ちにあうという状態が何年もの間続いていたので、すべてのことに自信を喪失しています。

恐らく職場では「こんなこともわからないのか?」「こんなこともできないのか?」という言葉を繰り返し浴びせられていたことが予想されます。なので、言葉としては「なんで?」「どうして?」という言い方を辞めました。そして、少しオーバー気味ですが「あなたが居たら助かる」「ありがとうね」という言葉を言える場面を増やしました。
たまに時間をかけて昼食を作ってくれるのですが、今まででしたら娘が「なんでこんなに時間かかるの?」と悪気なく言っていました。でもそこはぐぐっとこらえて、「作ってくれてありがと~。助かるわ~」と言うことでねぎらう気持ちを向けるようにしました。

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家族は味方だということをわかってもらう

うつ病の夫が一番苦手なのは、家族や今の療養に関係する人以外の人と接することです。そこを汲み取って新たな人間関係は作らずに限られた人間関係の中で過ごすことが本人の平穏につながるようです。
医師からも、「今はそれでよいです」という言葉を頂いております。何かを一人だけに課せてしまうと、パニック状態に陥ることが見えているので何事も寄り添い相談をしながら進めることにしています。

何よりも家族は味方なんだということを態度で示して本人に理解してもらうことが大事なのだと思います。

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