食べられなくても大丈夫。人間はそう簡単には餓死しない

プロフィール
S.K 30代女性
仕事のストレスからうつ病を発症。診療内科、精神科への通院を始めるが、医師との信 頼関係が築けず通院治療を断念。発症の引き金になった仕事を退職後、ひきこもりになりかけるも、周囲の理解と支えを得て自己回復。


お困りごと
食欲減退

 

食欲がなく食べることすら面倒くさい。そんな自分が嫌になる

私はうつ病の症状が強く出ていた頃、ほぼひきこもりのような生活をしていました。
ずっとベッドに横になってトイレとシャワーのためにしか動かず、食欲などはどこかに忘れてきてしまったかのように消滅していました。
もう、何も食べなくてもいいとすら思っていました。生きても死んでもどちらでもい い……自暴自棄ともとれる状態でした。
その頃には家族も私に愛想を尽かしていて、食事を用意してくれるようなこともありませんでしたから、1日を通して1度も噛むという動作をしなかった日もありました。
その頃の私は食べることの大切さよりも、食べることの面倒くささが勝っていたのです。

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食欲は無理をしても戻ってはこない

最初の頃は、何かを食べなくてはいけないと無理矢理口に運んだこともありました。食欲がありませんから、当然おいしくも感じません。でも、周りの目が 気になって無理矢理食べることを続けていたのです。ただ噛んで飲み込むだけの作業を淡々と。
次第においしく食べられない自分に罪悪感を感じ始めました。
(おいしく食べられないのに食べていていい のだろうか)
(食欲すらわかないなんて人としてダメに なってしまったんだ)
そんな風に考えて、どんどん気持ちが後ろ向きになっていきました。

そのうちに、日によって飲み込んだ物がつかえているような感覚がしたり、胃の不快感から吐いてしまうこともありました。私は食べること自体が苦痛になり、徐々に食べられなくなっていきました。

飲むだけでも出来る自分を褒める

食欲がないのに無理矢理食べて吐いた。
何をしているんだろうと虚無感に涙が出ました。どうして食べる事が出来なくなったん だろう。母が用意したご飯を見つめて、食べることが出来なくなった自分に自問自答しましたが答えは出ませんでした。

その後、何となくオレンジジュースやスポーツドリンクなどの飲物を飲み始めてから は、ますます食欲は減退していきました。
噛んで飲み込むことが面倒だった私は、水、スポーツドリンク、お菓子や水分の多い果物をだいたい4対4対2くらいの割合で摂取していました。
お腹の鳴る音がうるさかったので、水分は多めにとっていたと記憶しています。後は多少のめまいが気になりましたが、とりあえず生きてはいるようでした。

何より、“おいしくないのに、食べている苦痛”や“皆が普通に食べているのに、私は 食べられない”という葛藤から解放されて、ずっと気持ちが楽に感じました。

無理して食べなくてもきっと死ぬ所まではいかないんだろうなぁ……。せめて飲むくらいでいいだろう、それが出来ればもう充分じゃないか。
やけになってそんな風に開き直り始めていました。

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体は意外に丈夫、少しの間は心の回復を待ってくれる

今思えば、あの時の状況はさほど悪くなかったのかも知れません。
最終的に私は、多めの水分とチョコレートやフルーツなどの少しの食物で、4日間程生きました。その間、動く力はほ とんどありませんでしたが、ぼんやりとした意識だったからかそれまで深く思いつめていた色んなことに思い悩む時間が減ったようでした。
意識がはっきりしないことで感情の起伏が少なくなり、その4日間の間は無心に近い状態になっていたのを覚えています。
体重は落ちていきましたが、日が経つにつれ不思議とすっきりしたような気分になって いました。
5日目の夜に食べた白米は今まで食べていた 物と全く違う味がしました。少し甘い気がして、こんなに柔らかかったんだと驚きました。

その時に、私は“ちゃんと生きているんだ”と実感しました。
お腹が鳴って、消化のために動いているのが分かる程に体も喜んでいました。
(後に、こういった軽い断食状態が続いた後で食事を再開する際は、お粥などの胃腸に負担がかからない物を摂取するものだということを知りました。)
ぼんやりと過ごしていた4日間の間に私の気持ちに変化が生まれたからか、“美味しいと思える時に食べればいいんだ”と気持ちに も整理がつきました。

3日、4日くらいなら喉を通るだけの物からでも体はきちんと栄養を吸収してくれる。
体を信じて、自分を責めないように生活することを心掛けましょう。
弱った心を焦って追いつめても、心身共に元気になることは出来ません。

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