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うつ病とは?
心の健康を保つためのエネルギーが不足してしまうとこの病気になってしまいます。普段通りならば、落ち込んでも簡単に立ち直れるのに、この病気になると上手く立ち直ることが出来ず、ずっと落ち込んだまま、塞ぎこんでしまいやすくなります。人の感情や心理を司っている脳の働きが、何らかの原因で弱まり、心のバランスが崩れてしまうことが直接の原因となります。
また、「病は気から」という言葉があるよう、身体の調子と心の調子は深い部分で繋がっており、憂うつな気分が長く続くと、食欲・睡眠欲・性欲といった基本的な欲求が減少し、身体の怠さ、頭痛や発熱などの症状として現れることもあります。
しかし、こういった症状を「甘え」「心の弱さ」と誤解されることが多く、無理に体を動かしたり、頑張ってしまうことで、余計に悪化させてしまうことがあります。
この病気は物事のとらえ方や、考え方次第で症状がよくなるわけではありません。正しい知識と、周囲への理解が大切となってきます。
原因
まだはっきりと解明はされていませんが、脳の働きが鈍くなり、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が上手く分泌されなくなる為だという説や、副腎皮質からコルチゾールが過剰に分泌されてしまう為という説があります。しかし、厳密な定義はまだされていません。
どうしてそのような状況に陥ってしまうのかについても、完全に解明されておりませんが、一般的には、ストレスや環境の変化、病気など、様々な要因が複雑に絡み合い発症すると考えられています。
その要因は2つに分けられており、ひとつは「環境要因」、もう一つは「身体的要因」とされております。これらは原因を特定する際の指標ともなっています。
病気になってしまった原因は何かのか、疑わしい原因を特定することは、治療においてとても大切なことです。症状を緩和して改善に向かわせるために、原因となるものを遠ざけることや、回避することが重要となります。そして、原因を特定すれば解決方法も明確になりますので、治療へのモチベーションにつなげることが出来ます。
治療
治療の方法に関しては、大きく3つに分かれており、「休養」「投薬治療」「カウンセリング」を経過観察しながら組み合わせて行います。
他の病気とはやや事情が異なり特殊なものと考えられがちですが、症状に合わせて適切な治療を行えば改善ができます。腕に傷を負ってしまったら、休養して傷を癒やすように、心のエネルギー不足を補うためには、十分な休養を取り、生活リズムを整えることが大切です。
またm生活環境がストレスの原因である場合には、環境を変えてみたり、ストレスの原因を生活から遠ざける方法もあります。
また、風邪を治す際に、風邪薬を飲むのと同じで、投薬治療で身体の治癒能力を高めることも効果的です。弱まっている脳の働きを回復させ、神経伝達物質の分泌を正常化させる抗うつ剤も、うつ病を克服する際に強い味方になってくれます。
脳の不調により、感情や心理をコントロールできにくくなっている時には、どうしても物事を主観的に考えてしまいがちです。そういった場合は、自分を客観的に見つめられるように、カウンセリングを受けるなどして思考パターンの改善をする必要があります。心と身体に向けたバランのとれた丁寧な治療が必要となってきますので、まずは、できるかぎり早期に治療を開始することが望まれており、そのためには心や身体が発するサインを逃さず気づくことが大切です。

鬱の症状とは?

うつ病の判断を素人が行うのは非常に難しいことですが、病院ではうつ病だと診断するための9つの基準があります。これらの項目は、一時的には健康な方にも見られるものですが、うつ病にかかっている人はほぼ毎日下記のような症状が現れます。

“抑うつ気分”が続く

一時的な気分の落ち込みは誰にでもあるものですが、うつ病の場合、希望が持てない、激しく気分が落ち込んでいる、物事を悲観的に捉える、といった状態が長期間続きます。症状が出るのは主に朝方で、夕方になると回復している事も多いようです。
このような変化を「日内変動」と呼び、うつ病に見られる特徴のひとつです。

興味や喜びを喪失してしまう

これまで好きだったことや趣味にも興味を持てなくなり、「楽しい」、「面白い」などの喜びを感じなくなり、これまで楽しむことができた、趣味や娯楽をする気力もなくしてしまいます。また、身だしなみや周囲の目にも無関心になり、身だしなみに気を配ることがなく、周囲の人が見ても驚くほど変化してしまうこともあります。

食生活の乱れや体重の減退・増加

うつになると、食欲が増加したり減少したりしますが、減少するケースが多く、体重も低下していきます。その理由は、食事をしても「美味しい」と感じない、お腹が減らない、などが挙げられます。逆に、「食事を摂らなければならない」というプレッシャーから、過食症状があらわれる方もいます。多少の食欲の増減は、一般的にもありえることですが、体重が大きく変動する程の増減は、「拒食症」や「過食症」を引き起こすこともありますので、食生活の乱れについては早い段階で、専門医に相談するべきでしょう。

不眠や加眠といった“睡眠障害”

睡眠障害はうつ病患者の多くに見られる症状で、主に3つの症状に分かれます。
・寝付きが悪い(入眠障害)
・すぐに目が覚める(中途覚醒)
・朝早くに目が覚める(早朝覚醒)
上記の中でも、中途覚醒と早期覚醒が多いとされていますが、中には一度寝ると中々目が覚めない(加眠)になるケースもあるようです。睡眠障害は体調にも大きく影響を与えますので、食事と同様に、早い段階で専門医に相談すると良いでしょう。

精神運動に障害がでる

うつ病になると誰が見てもわかるくらい動きが鈍くなったり、声が出なくなったりします。逆に、落ち着きがなくなったり、歩き回ったりすることもあり、本人は強い焦燥感(イライラ)を感じています。このような状態を”精神運動機能の障害“と呼びます。特に、落ち着きがない方については、元気に動き回っているようにも見えるので、うつ病だと気づきにくいこともありますので、注意が必要です。

疲労感・倦怠感が取れない事による無気力症状

激しい運動や、特別な労働をしていないにも関わらずひどい疲れや、身体が重く感じる事があります。運動や労働による疲労であれば、急用や睡眠よって回復しますが、うつ病の場合、いつまでも症状が改善されません。 それにより、気力が沸かなくなり日常生活にも影響が出てしまい、ひどい時には、何もやる気が起きず寝たきりになってしまうこともあるようです。

自分は無価値だと感じる・異常な罪責感を持つ

うつ病患者に多く見られる症状で、理由もなく自分のことを責めたり、些細な出来事に対して悩みこんでしまったりします。症状がひどくなると、「自分には価値がない」と感じたり、他人のミスも自分の責任だと感じたりします。ミスをした時には、些細なミスであっても取り返しのつかないことに感じてしまうこともあります。また、成功した時にも自分を褒めることはなく、「誰にでもできる事」と感じてしまいます。

思考力・集中力が低下する

物事に注意が払えなくなるので、家事・仕事・学業などの日常生活において失敗が増える、うまくこなせない事柄が増えるなどの症状が現れます。失敗が積み重なることで、自分が無価値な人間だと感じたり、罪責感を持ったりすることもあります。
また、決断力が低下することで、簡単なことがいつまでたっても決められなくなります。
そのため、うつ病の時には、人生を左右するような決断(結婚・転職)などは控えたようが良いとされています。

自殺念慮

うつ病を患っているほとんど人は、「自殺」について一度は考えるそうです。原因は、気持ちが沈んでいる時の辛さに耐えることができる、死んだほうが楽になると考えてしまうことにあります。このような思考を持っている時には自殺に気をつけなければなりませんが、危険なのは、症状が少し緩和された状態のときです。症状が重い時には、「死にたい」と思っても死ぬ気力も生まれないからです。自殺念慮が見られた時には、元気になったように見えるときほど注意深く見守る必要があります。